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[MOM1674]駒澤大高MF菊地雄介(2年)_「何かやってくれそう」指揮官の予感が的中し決勝点!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 松山工高1-2駒澤大高 駒沢]

「何かやってくれそうな予感が……。何の根拠もないんですけど」。駒澤大高(東京B)大野祥司監督の“直感”による采配が、チームを準々決勝へ導いた。

 わずかシュート1本という低調な出来に終わった前半、「もっと駒澤らしいサッカーをしよう」とハーフタイムに指揮官からの檄が飛ぶと、後半はテンポを上げて攻勢に出る。すると、後半15分にこの日のヒーローが投入される。「『ゴールを決めて来い!』と言われました」。MF菊地雄介(2年)はそうベンチで指示を受けてピッチに投入された。

 昨日行われた2回戦でも同点の場面で投入されたが「初めての大舞台で試合に入れていなかった」と自身の出来を反省していた菊地。「昨日はパスも逃げていたので、ボールを持ったらまずは仕掛けようと強い気持ちで入った」。すると、その姿勢が奏功する。後半28分、松山工ゴール前で混戦になったところを、途中出場の背番号7が左足を一閃。「打った瞬間に入った感触はあった」。菊地の強烈なシュートは、クロスバーに当たりながらも駒澤大に2点目をもたらした。

 中学生のときの菊地はボランチでプレーしていたというが、「ボールを拾う力はあまりないですけど、サイドでドリブルができるので、監督がコンバートしてくれました」。左の攻撃的MFでプレーすると、今季公式戦初ゴールという大仕事をやってのけた。

 菊地は自らを起用してくれたこともさることながら、チームに喝を入れてくれたことに対して、指揮官へ感謝する。「相手の力が無いというわけではないですけど、自分たちのほうが強いという慢心があって……。それでフワフワしているのが監督はわかっていて『このままじゃ勝てない』と言われました。監督のおかげで勝てたんじゃないかなと思います」。

 1回戦、2回戦に続いて地元で戦える駒澤大は、昨日の2回戦終了後に選手たちを一度自宅に戻らせている。「リラックスして、親の愛情を感じて感謝の気持ちをさらに持って帰ってこい」。そこには大野監督の狙いがあった。今朝、家を出るときに菊地は「昨日もチャンスがあったけど、今日も絶対チャンスがくる。少ないチャンスをものにしてこい!」と家族にハッパをかけられると、見事期待に応えた。スタンドには家族も応援に駆けつけていたといい、「ヒーローインタビューのときに見つけました」と晴れ舞台で活躍を見せられたことに笑顔をこぼした。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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