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[選手権]磐田GK志村の後継として「マイナス40からスタート」した市船の1番・寺尾,意地とBチームへ感謝のPKセーブ

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[1.3 全国高校選手権3回戦 東福岡高 0-0(PK4-3)市立船橋高 フクアリ]

 市船の1番が意地を見せた。0-0で突入したPK戦で4人目まで3-4とリードされた市立船橋高はGK寺尾凌(3年)が雄叫びを上げて相手キッカーにプレッシャーをかけると、右へ跳んでシュートを両手でセーブ。PK戦直前にMF椎橋慧也主将(3年)からBチームの思いこもったキャプテンマークを左腕に巻かれていた守護神がチームを救う。「仲間の思いがあったからこそあの一本は止められたと思います。あの仲間の声援とかなかったらあの一本は止められなかった。Bチームの人には本当に感謝している」。チームは敗れたものの、土壇場で寺尾が見せた一本のセーブをチームメートたちは心から喜んでいた。

 昨年まで2年間に渡って、市立船橋の背番号1はGK志村滉が背負っていた。磐田へ進んだ世代屈指の守護神の後を継ぐ形で市船の守護神の座を任されたのが寺尾だった。想像以上に重かった1番。「(朝岡)監督から新チームの時に『マイナス40からのスタート』と言われて。本当に志村さんの存在は大きすぎて、今年はGKの能力低すぎて負けるんじゃないかと言われ続けた」。それでも、寺尾はチームメートたちと競争しながら成長。3年時は志村も出場の叶わなかった選手権の舞台に立って、この日は会場に訪れた志村も見守る中で前半36分にビッグセーブを見せるなど、市船の1番にふさわしいプレーをしてみせた。

 PK戦での敗退は悔しい。だが、寺尾は「伊藤(竜一)コーチに育ててもらって感謝しか無いですね。日本一で恩返ししたかった。(それでも)市船の1番として恥じないようにプレーはしっかり出来たと思いますね」と胸を張る。国士舘大へ進学するGKは今後さらに成長を遂げて恩返しをする。

 国士舘大では2度全国舞台で対決した東福岡高GK脇野敦至たちとGKのポジションを争う。「今回負けてしまったので脇野に2敗している。ストロングポイント活かして大学ではもっと上達できるように切磋琢磨しあってレベルアップしていきたい」。高校ではPK戦で2敗してしまったが、大学でのポジション争いは絶対に負けない。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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