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[選手権]東京勢が揃ってベスト8入りする快挙!國學院久我山、プレミア昇格の神戸弘陵振り切る!!

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[1.3 全国高校選手権3回戦 神戸弘陵高1-2國學院久我山高 駒沢]

 94回目の選手権にして、史上初の快挙だ! 國學院久我山高(東京A)が来季プレミアリーグへの昇格を決めている神戸弘陵高(兵庫)を打ち破ると、第1試合で勝利していた駒澤大高(東京B)とともに8強へ。大会史上初めて東京都代表の2校が揃って準々決勝進出を果たすことになった。

「今日実際に対戦してインパクトが違った。さすがプレミアに上がっただけのチームであり、したたかさがあった」。國學院久我山の清水恭孝監督が認めるように、シュートチャンスもままならなかった前半。シュートは2本に抑えれたが、そのうちの1本をものした。前半39分に左CKのチャンスを得ると、DF山本研(3年)のボールにMF小林和樹(3年)が「得意ではない」というヘディングシュート。前半終了間際に均衡を破った。

 会場がどよめいたのは、前半37分の神戸弘陵のFKの場面だ。5選手が集まって“じゃんけん”をしてキッカーを決める“トリックプレー”を仕掛ける。練習中のような一コマだが、実際にFKを蹴ったDF中濱颯斗(3年)のシュートは、クロスバーを直撃した。「同じボール蹴るなら変化があったほうがおもしろい。GKとかDFのタイミングをずらす」。選手たちで考えたという奇策を、谷純一監督は解説した。

 1点を追いかけて後半に入った神戸弘陵は、1分を待たずに同点とする。FW入谷子龍(3年)の浮き球のパスでDFラインの裏に抜けたFW土井智之(3年)が右足を振り抜くと、ゴールネットを揺らす。「土井が抜けて、僕が出すいつもの形」(入谷)という2トップの阿吽の呼吸だった。

 しかし後半10分、ゴールラインギリギリのところで神戸弘陵DFがクリアしようとしたところを、MF名倉巧(2年)が果敢にスライディングをしてボールを奪い、中央へラストパスを送る。これをゴールへと流し込んだのは、FW澁谷雅也(2年)。再び國學院久我山が1点をリードした。

 勝ち越し点を許した2分後には、神戸弘陵は2回戦で途中出場で決勝点を挙げたスーパーサブのMF竹村史明(1年)をピッチに送り込む。しかし、流れを変えられないと見るや、「やるサッカーが似ていたので、残り10分で強引に」(谷監督)攻めるべく、竹村を下げて183cmの長身FW、ベハラノ・ナオキ(3年)を投入する。しかし、神戸弘陵のプランが実ることはなかった。「ゲームのクローズの仕方が素晴らしかった。昨日崩れた反省を活かした」と清水監督が賞賛したように、國學院久我山はシュートも許さず時計の針を進めていく。2日に行われた明秀日立高との2回戦で、2点のリードを後半36分から追いつかれたことを教訓としてチームの力に変えた。

「CKとスローインからなのでもったいなかった」。流れの中では得点を許さなかったが、セットプレーからの失点に谷監督は唇を噛んだ。「関西の代表という気持ちで、ベスト8が最低限というラインだと思っていた。応援してくれていた方々に申し訳ない」。プリンスリーグ関西の王者として大会に臨んだが、ベスト16で大会を去ることに、悔しさを見せると、「競ったゲームをつかんできたチームなので、そこをもっと貪欲にやっていきたい」と来季に向けて持ち帰る課題を口にした。

「ひとつひとつ歴史を塗り替えるチャレンジができることに喜びを感じている」準々決勝に進出した東京のもう1校、駒澤大の大野祥司監督とはボールを蹴り合う仲だという清水監督。「選手権で東京はそんなに活躍できていない。東京で試合ができるので、そこはなんとかしたい」。東京の高校がベスト4に残れば、1998年度の帝京高以来17年ぶりとなる。「ひとつひとつ歴史を塗り替えるチャレンジができることに喜びを感じている」。國學院久我山が準決勝に進出したとき、それは同校の選手権最高成績が塗り替えられる瞬間になる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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