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[MOM1678]國學院久我山FW澁谷雅也(2年)_「自分で点を取りたい」ナンバー10が2戦連発!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 神戸弘陵高1-2國學院久我山高 駒沢]

 國學院久我山高(東京A)を2度目の8強に導いたのは、エースナンバーを背負うFW澁谷雅也(2年)だった。

 MF小林和樹(3年)のゴールで1点をリードして後半に入った國學院久我山だが、開始1分で神戸弘陵高(兵庫)のFW土井智之(3年)に試合を振り出しに戻される。しかし、選手たちに焦りはなかった。「自分で点を取りたい」。國學院久我山の背番号10は虎視眈々とそのときを待った。

 そして迎えた後半10分、右サイド深い位置でボールを持ったMF名倉巧(2年)はDF2人に囲まれると、一度はボールを奪われるが、すぐさまチェイシング。クリアしようとしたところをスライディングしてボールに触ると、ルーズボールは神戸弘陵のゴール前にこぼれる。澁谷は神戸弘陵DFより一歩早くボールに到達すると右足を振り抜いた。「みんながスペース空けてくれたので、たまたまです。思い切り打っただけ」。鋭いシュートはサイドネットに突き刺さった。これで2戦連発。2回戦で選手権初ゴールを記録したことで「ゴールをより意識するようになった」とヒーローは手応えをつかんでいる。

 再びリードした國學院久我山だが、「昨日同点に追いつかれたのでここからだと思った」(澁谷)と前日2回戦での戦いが頭をよぎる。澁谷のゴールで先制、後半終了4分前にはDF山本研(3年)が2点目を奪ったが、直後に明秀日立に1点を返されると、アディショナルタイムには同点被弾。試合はPK戦までもつれた。それを教訓に「ここで行かないと、またやられると思ったので、プレッシャーをもっとかけるようにしました」と言う澁谷を筆頭に、最後まで走り切って神戸弘陵の自由を奪い、終盤になってもシュートチャンスを与えなかった。「最終的にゲームのクローズの仕方が素晴らしかった。昨日崩れた反省を活かした」と清水恭孝監督も逃げ切りに成功したチームを讃えていた。

 1回戦後、広島皆実高(広島)のDF二井野巧(3年)から、体を使ってCBをSBより押し上げて、SBをDFラインの一番後ろにし、そのギャップを突いて裏に抜ける動きをアドバイスされ、「考えたこともなかった」と感謝する澁谷は、「できるところはできるだけやるようにしている」と二井野の想いも背負って戦っている。

 神戸弘陵の谷純一監督も真っ先に名前を挙げており、相手に最も警戒される存在となったことでマークも厳しくなっている。「点を取ること以外は何もできなかった。ポストプレーとかもっとできるようにしたいです」と納得いくプレーはできていない。それでも「いま(ゴールを)取れているので良い状態」と自信を見せる。「今年あまり結果を残せていないのでがんばりたい」と意気込む澁谷は、「最終的な目標はもっと上」としながらも、昨年度から公式戦で一度も勝っていないという前橋育英高(群馬)との“リベンジマッチ”に、まずは集中していた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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