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[選手権]新生・市船は1からではないスタート、CB杉岡「このチームに新たに積み上げられる」

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[1.3 全国高校選手権3回戦 東福岡高 0-0(PK4-3)市立船橋高 フクアリ]

 止められれば敗退の決まる重圧の中、「コースはあんまりこだわってなくて、左に思い切って蹴ろうと思っていた」という2年生CBの左足シュートは東福岡高GK脇野敦至にストップされてしまった。この瞬間、6度目の全国制覇を目指した市立船橋高の敗退が決定。チームを救うような好守を連発していたU-17日本代表CB杉岡大暉(2年)は両手で頭を抱えると、そのままピッチに崩れ落ちた。

 3年生3人が途中交代したことで3年生から順番に蹴ることになっていた市立船橋の5番目のキッカーという重責は、杉岡が担うことになった。選手交代を経た後半終盤から「このままいけば5番目だろうな」ということは感じていたという。そしてPK戦で一時リードされて追い込まれたが、先攻・東福岡の5番目のキックをGK寺尾凌が魂のビッグセーブ。望みを繋いだ。杉岡が決めれば同点。5番目の責任を強く感じていたが、「それでも決めなきゃいけないし、そんなんで外しててもダメなんで」決めることに集中した。

 だが渾身の左足シュートはGKに読まれて失敗。杉岡は「(恐怖心を)越えなければ決められない場面で決められなかったのは、自分の気持ちの弱さだったりそういうところかなと思います」と語り、「力不足」だったことを認めた。

 1年時から名門のレギュラーを務め、この1年はU-17日本代表に初選出。高い守備センスと強さを兼ね備えた冷静沈着なストッパーは、この日綻びかけたシーンもあった市船DFラインをカバーして無失点で終えた。今大会はビルドアップでのミスもなく非常に安定。だがこの日は縦パスが通せるシーンで蹴ってしまっていたり、安全なプレーに意識を傾けすぎていたこと反省する。「キックがミス相当多かったし、強みは出せて当たり前と思っているので全部のプレーをハイレベルにしていきたい」

 来年は名門の主将候補。「自分と高と原は1年間出てきたので、(今後1、2年生でスタートするのは)新たな新チームじゃなくて、このチームに新たに積み上げられると思っている。技術は違うけれど、意識は自分たちが積み上げられる。そこは意識して日本一取りたいです」。先輩たちがつくり上げきた現在の市船。今年のチームの意識の高さをベースにしてさらに積み上げて市船をより意識高く、強い集団にする。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
 
(取材・文 吉田太郎)
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