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[選手権]MF高橋の大会4点目が決勝点!青森山田、一昨年度王者・富山一を下して6年ぶり4強入り!!

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 青森山田高1-0富山一高 ニッパツ]

 青森山田高(青森)が、6年ぶり3回目のベスト4入りを決めた。一昨年度優勝校の富山一高(富山)は、8強での敗退が決定。9日に埼玉スタジアム2002で行われる準決勝、青森山田は國學院久我山高(東京A)と激突する。

 富山一の2トップ、FW坂本裕樹(3年)とFW柴田丈一朗(3年)を「相当強烈」と警戒した青森山田の黒田剛監督は、「みんなカウンター1本でやられて敗退しているので、リスクを冒さない」戦い方を選択。「蹴り合う展開になっても仕方がない」と割り切っていたが、実際、試合は予期していたような流れになる。青森山田は3トップとMF神谷優太(3年)が高い位置をとったが、最終ラインからパスをつないでボールを運ぶことができない。左CBのDF常田克人(3年、仙台内定)からのロングフィードから、右サイドのMF豊島祐希(3年)に展開。「15cmのアドバンテージがあるところで、競り勝ってセカンドボールを拾っていこう」と黒田監督はその意図を語る。180cmの豊島を、富山一の左SB、165cmのDF石黒絢心(3年)にぶつけて攻撃の糸口をつかもうとする。

 189cmの常田、190cmのDF近藤瑛佑(3年)という両センターバックを筆頭に先発の平均身長で177.7cmと大会屈指の高さを誇る青森山田は、DF原山海里(3年)のロングスローという武器もあって富山一ゴール前の場面を何度もつくるが、DF早川雄貴(3年)を中心とした富山一守備陣が奮闘。平均身長で8.1cm下回りながらも、富山一は無失点で試合を進めていく。

「高橋、住永、神谷の(中盤)3枚のところでしっかりボールを動かせば、山田らしいサッカーになってくるので、後半はそういう形でボールを落ち着かせながらやったプランが、よかったんじゃないかと思ってます」(黒田監督)。ボールが回り始めた後半、FW田中優勢(3年)をインサイドハーフに入れて神谷を左ウイングにスライドさせると、ついに青森山田が得点に結びつける。

 後半31分、MF高橋壱晟(2年)がサイドチェンジをして左サイドのMF神谷優太(3年、湘南内定)に展開、タメをつくると追い越したDF北城俊幸(3年)へパスを送る。それまで攻撃参加を抑えていた北城だが、「(青森山田に)流れが来ていたので、ここで1点取らないと相手に流れがいってしまったときに点を決められかねない」と試合の流れを読んでオーバーラップ。「あまり中を見ていなかったけど、信じてファーサイドに入れました」。そのクロスに飛び込んだのは高橋だった。ヘディングで合わせると、均衡を破った。青森山田の指揮官は「打点の高い、良いヘッド。今大会4点目で、ラッキーボーイ的に何か持っていると思う。次の試合もおおいに期待したい」と殊勲のヒーローに期待を込めた。

 これで今大会4試合すべてで、ラスト10分で得点を挙げたことになる。「何が要因かわかりませんけど、結局は冬場の走り込みとか、90分のプレミアを毎週やってきた成果。最後に追いつかれたり、逆転したりという試合を7〜8試合経験してきたので、彼らはやるべきことを認識していたんだと思います」と黒田監督は終盤での勝負強さの秘訣を分析した。出場21回目の“北の雄”が悲願の選手権制覇を成すまで、あと2勝だ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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