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[選手権]新たな歴史築いた國學院久我山!! 前橋育英に7年越しのリベンジで史上初の4強入り

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 國學院久我山高 1-0 前橋育英高 ニッパツ]

 第94回全国高校サッカー選手権は5日、準々決勝を行い、ニッパツ三ツ沢球技場の第2試合では國學院久我山高(東京A)と前橋育英高(群馬)が対戦。前半をスコアレスで折り返した試合は、後半12分にFW内桶峻(3年)の豪快なミドルシュートで先制した國學院久我山が前橋育英の猛反撃をしのいで1-0の完封勝利を収め、同校史上初のベスト4進出を決めた。

 國學院久我山の選手権での最高成績は08年度(第87回大会)のベスト8。初戦から2試合連続7得点を奪って順調に勝ち進んだチームだったが、準々決勝で前橋育英に0-1で屈してベスト4進出はならなかった。さらに現チームも、前橋育英には「公式戦で一度も勝っていない」と選手が口をそろえるように、昨年度のプリンスリーグ関東で対戦した際は1-4、0-1で2連敗を喫した。さらに、今秋の練習試合ではBチームに0-1で敗れている。だからこそ、今大会で前橋育英とベスト4進出を賭けて戦うことに、「7年前もベスト8で負けていますし、運命の巡り合わせだと感じました。ここで育英さんと対戦できるのは本当に持っているチームだと思います」(MF宮原直央(3年))と闘志を燃やしていた。

 前半6分にシュートチャンスを迎えたのは國學院久我山だった。右サイドを突破した内桶のグラウンダーのクロスに対し、ニアサイドに走り込んだFW澁谷雅也(2年)が右足で合わせるもボールは惜しくもゴール左に外れた。その後も主導権を握って試合を進める國學院久我山は、同24分にMF名倉巧(2年)のスルーパスからPA内に進入したMF小林和樹(3年)がネットを揺らしたものの、これはオフサイドの判定に取り消されてしまう。

 押し込まれる展開となった前橋育英だったが、DF小畑達也(3年)とDF大平陸(3年)の2CBを中心とした守備陣が粘り強い対応で失点を防ぐと前半終盤には好機を創出する。前半40分、スルーパスに反応したMF大塚諒(2年)が右足で狙ったシュートはGK平田周(1年)の手を弾いてゴールマウスに向かって転がったが、カバーに入ったMF宮原直央(3年)にクリアされて先制点を奪うには至らなかった。

 そして、最大の危機をしのいだ國學院久我山が、スコアレスのまま迎えた後半12分に試合を動かす。中盤でボールを受けた澁谷が右サイドを駆け上がる内桶に展開。内桶は寄せてくる相手DFにフェイントをかけてシュートコースを生み出すと、右足で豪快なミドルシュートを叩き込み、スコアを1-0とした。

 1点のリードを奪われた前橋育英は後半15分にMF佐藤誠司(3年)に代えて、2試合連続ゴール中のFW馬場拓哉(2年)を投入。すると同16分、後方から送られたボールを馬場がヘッドで落とすと、走り込んだ大塚が右足シュートを放ったが枠を捉え切れなかった。徐々に流れを引き寄せる前橋育英が圧力を強めていくが、集中力を途切れさせない國學院久我山守備を崩し切れず。1-0のまま試合終了のホイッスルが吹かれ、國學院久我山が史上初のベスト4進出を決めた。

 08年度の準々決勝で敗れた前橋育英を下しての準決勝進出に主将の宮原は「昨日の準備から全員が育英に勝ちたいという気持ちを持っていました。チーム全体、(清水恭孝)監督もスタッフも選手も全員が、絶対にモノにすると強い気持ちを持っていたので、そこが大きな勝因だったと思います」と7年越しのリベンジ、初の4強入りに笑顔を見せた。そして、チームを率いる清水恭孝監督は「素晴らしいチャレンジができているし、選手たちと歴史を変えられて本当にうれしいです」と新たな歴史を築いた選手たちを称賛した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
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