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[MOM1680]青森山田MF高橋壱晟(2年)_「僕はさばいて終わりの選手だった」…指揮官の言葉をきっかけに能力を開花させたスコアラー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 全国高校選手権準々決勝 青森山田高1-0富山一高 ニッパツ]

 攻撃の起点となった背番号7は、一気にゴール前へと走り込む。自分が勝負を決める――。ゴールへの強い意欲を持ってクロスボールに飛び込むと、ドンピシャのタイミングでヘディングシュートを放ち、この試合唯一となるゴールを奪った。

 青森山田高(青森)MF高橋壱晟(2年)は、1年前の自分をこう表現する。「僕はパスを出して、さばいて終わりみたいな選手だった」と。しかし、黒田剛監督の言葉をきっかけに、スコアラーとしての能力を開花させていく。「黒田監督から『パスで終わる選手になるな』『最後はお前が勝負を決められるようになれ』とこの1年間ずっと言われて、ゴールに対する強い意識を持つようになりました」。

 プレミアリーグEASTではMF神谷優太(3年)の9得点に次ぐ、チーム2位となる8得点を挙げた。確かな結果を残したことで、「自分もゴールを取れるんだという強い気持ちを持って大会に臨めた」。そして、迎えた今大会では初戦の大社戦で2ゴールを奪うと、続く聖和学園でも1ゴールを記録。チームのベスト8進出に大きく貢献して準々決勝富山一戦に臨んだ。

 富山一戦はスコアレスのまま試合が進んだものの、後半31分に高橋が均衡を破る一撃を叩き込む。中盤でボールを受けると左サイドの神谷へと鋭いパスを送る。もしかしたら、1年前の高橋ならば「さばいて終わり」だったのかもしれない――。だが、「絶対にチャンスになると思った」と猛然とゴール前へと走り込むと、神谷からボールを受けたDF北城俊幸(3年)のクロスにヘディングで合わせて豪快にネットを揺らし、自身今大会4点目となる決勝点を記録した。

「僕は常にゴールを狙っているので、4点取れてチームに貢献できているのはうれしいです」と充実感を漂わせつつも、ここで立ち止まるわけではない。「もっともっとゴールを目指して、ゴール前に飛び込んでいきたい」。能力を開花させて結果を残し続ける男は、準決勝、そして決勝に向けてさらなるゴール量産を誓った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
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