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[DAYS×ゲキサカ連動企画vol.89]富山一DF澤泉大地(3年)_満身創痍のCBに届けられた指揮官の想い

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 青森山田高1-0富山一高 ニッパツ]

「万全の状態ではないのに、それでも出させてくれた先生たちに申し訳ない……」。目を真っ赤にしてミックスゾーンに現れた富山一高(富山)のDF澤泉大地(3年)は、大塚一朗監督をはじめとしたスタッフの決断をおもんぱかると、声を震わせて涙を流した。3回戦を欠場していた澤泉は、2回戦で負傷した頭部には包帯を巻き、さらに右足は捻挫しており、満身創痍の状態だった。

「怪我をしていても、チャレンジできた」。166cmとCBでは小柄な澤泉は、怪我を負いながらでも体を張った守備を見せた。189cmのDF常田克人(3年、仙台内定)、190cmのDF近藤瑛佑(3年)という長身な選手がいる青森山田高(青森)のセットプレーは、どこのチームにとっても脅威だ。FKとCKだけでなく、富山一陣内の半分を越えればDF原山海里(3年)のロングスローがゴール前まで飛んでくる。青森山田のCKでは、澤泉は23cmも身長差がある常田のマークにつく場面もあったが、セットプレーでは最後までゴールを割らせなかった。「ロングスローやロングボールからゴールを割らせないように対応はできました」。絞り出すように、澤泉はようやくポジティブな言葉を並べた。

「DF陣は体を張って守ってくれた」とFW坂本裕樹(3年)は、優勝候補の青森山田攻撃陣に対して1失点で耐えた守備陣を讃えると、「決めるところで決められなくて悔しい」と無得点に終わったことを悔んだ。

 一昨年度の選手権制覇は応援席で見ていたという澤泉。「1年生のときだったので、実感はなかった」が、3年生としてピッチに立ったことで、見えて景色もあった。「このステージに立って、優勝した先輩たちはこれを乗り越えてきたんだと実感することができました」。選手権で感じたことは「後輩たちに自分たちが感じたことを伝えたい」と来年再び日本一を目指す2年生、1年生に託していく。

 澤泉は高校卒業後に大学へと進学するが「サッカーを続けるか、まだ決めていません」とうつろな表情で言う。それでも……、大塚一朗監督が“最後のロッカールーム”で贈った言葉は? と質問すると、澤泉はひとつ声のトーンを上げて、ハッキリと答えてくれた。「これからいろいろな人生があると思うけど、一生サッカーを好きでいてください」。

(取材・文 奥山典幸)

 『DAYS』は、何の取り柄も特技もない少年・柄本つくしが、サッカーの名門・聖蹟高校に入部したことで始まる灼熱×感動×奇跡の高校サッカー漫画だ! 現在、週刊少年マガジンで連載中。
 そしてゲキサカでは、柄本つくしのように、“泥臭くチームのために献身的に走る”全国のサッカープレイヤーを応援していく企画「全国のつくしを探せ!」を展開中! 各地の高校世代のゲームの中から、つくしに負けない“熱さ”を持った選手をピックアップしていく。全国のサッカープレイヤーは要チェックだ! 次の“つくし”はキミかもしれないぞ!!

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