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[選手権]V弾演出の國學院久我山FW澁谷、準決勝・青森山田戦に照準「しっかり自分が取れるように」

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 國學院久我山高1-0前橋育英高 ニッパツ]

 今大会の連続ゴールは2試合で止まった。「今日の出来は、決めないといけないところを外しているので50%です」。國學院久我山高(東京A)のFW澁谷雅也(2年)は無得点に終わった準々決勝をこのように総括したが、同校史上初のベスト4進出を決めた1点は、彼のアシストによるものだった。

 後半12分、後方からのボールを澁谷が下がりながら半身でトラップ。左足でボールを収めて顔を上げた直後、「峻くんが大きいスペースで開いているのがパッと見えたので出しました」と、右に膨らみながら走り出していたFW内桶峻(3年)に迷わず展開する。内桶はそのままPA内右に持ち込み、ワンフェイントから右足を強振。ドライブのかかった強烈なシュートがゴール右上隅に突き刺さった。

「自分がクロスの準備をしてたんですけど、峻くんが決めてくれたので良かったです」。決勝ゴールの起点となった澁谷はボールをはたいた後、PA内でもらい直すイメージと準備をしていたことを明かす。それでも、「結構意外でした。あそこから打つとは思わなかったんですけど、入って本当に嬉しかったです」と、驚きを交えつつ仲間のゴールを素直に喜んだ。

 澁谷はスコアが動く前に、2度のシュートシーンを迎えていた。1本目は前半6分。相手センターバックの間に位置を取りながらニアのスペースを突くと、MF宮原直央(3年)の右からのクロスをゴールエリア右角で受け、絶妙なコントロールから右足の速い振りでゴールを狙う。この試合のオープニングシュートはわずかにゴール左へ外れたが、後半5分には中央から左に流れてMF名倉巧(2年)のスルーパスを引き出し、PA内左で左足のシュート。追走するDFに体をぶつけられたことでバランスを崩し、ボールは再び枠を外れたものの、PA内の左右のエリア、いわゆる“ニアゾーン”を突く動き出しが効いていた。

「体格的には本当に厳しいんですけど、小さくてもセンターフォワードができるんだというところを見せたい」と話す163cmのストライカーは、「サイドの選手にボールが入った時はなるべく早めにクロスを上げてもらうために、ディフェンスより先に動いて、ニアへの速いボールを合わせられるように」と、ゴールを奪うために意識的にニアを狙っていることを教えてくれた。

 夏の全国高校総体前のセンターフォワードへのコンバートから約半年。「(得意のドリブルが生きる)左サイドに流れたい時もありますけど、一番前が一番点を取れると思うので、センターで活躍したいです」と言い切る。

 國學院久我山にとって初となる準決勝の相手は、名門の青森山田高に決まった。「やっぱり青森山田は本当に強いチームなんですけど、ビビらないで、しっかり自分が点を取ったりアシストできるように頑張りたいです」と、澁谷はストライカーとしての意気込みを語った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 阿部哲也)
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