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[ニューバランスカップ]互いの堅守光った準決勝、10番MF本田が山梨学院ゴールこじ開けて流経大柏が勝利

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[1.6 ニューバランスカップ準決勝 流通経済大柏高 1-0 山梨学院高 時之栖B1]

 本年度から株式会社ニューバランスジャパンが特別協賛し、「ニューバランスカップ 2016 IN 時之栖 新春高校サッカー強化研修大会」へと名称を変更した通称・“裏選手権”は6日に準決勝と決勝を行った。流通経済大柏高山梨学院高との準決勝は10番MF本田憲弥(2年)の決勝ゴールによって流経大柏が1-0で勝った。

 全国高校選手権出場が叶わなかった強豪48チームの新チームが、選手権開催期間と同時期に新シーズンへ向けた強化を行う“裏選手権”。その準決勝のカードのひとつは10年度全国選手権準々決勝以来の対戦となるという流経大柏対山梨学院のカードとなった。

「例年になく、ディフェンスから入れているのでいいのかなと思っています。いつもはね、前から前から行っちゃってボロボロ点取られて……。後ろからキチッとなっているのはいいですね。こういう年はいいと思うんですけど、今年はどうかな」と本田裕一郎監督が語る流経大柏に対して、「ある程度耐えることがやれるところは見えた」と語った山梨学院の吉永一明監督だが、現時点では流経大柏との差があったことを認めていた。「向こうの方がタフだった。競り合い、球際、大人と子供くらいの差があった。この時期にこういう相手とできたことは大きい。完敗と捉えてここからどうスタートするか」。強豪同士の戦いで見えた課題は新シーズン開幕、また1年後へ向けて大きな財産となりそうだ。

 前半からよりシュートシーンをつくり出していたのは流経大柏の方。だがU-16日本代表FW加藤拓己(1年)を擁する山梨学院も1ボランチのMF相田勇樹(2年)やMF雨宮壮(2年)を起点としたスピードのあるサイド攻撃からゴール前のシーンを増やす。それでも後半は流経大柏が一方的に押し込んだ。ボールを失ってからのアプローチが速く深い流経大柏は、速攻に移ろうとする山梨学院のミスを誘うと、セカンドボールを手中におさめ、仮に中盤を突破されても本田監督の信頼感厚いCB鈴木連(2年)らが対応して相手に満足な攻撃機会を与えなかった。

 そしてサイド攻撃で相手の守りをこじ開けようとする流経大柏は、後半16分に左サイドから仕掛けたFW中村翼(2年)がDFラインを突破して決定的な右足シュート。だが山梨学院は15年日本高校選抜CB大野佑哉(山梨学院高→阪南大)の弟、GK大野郁哉(2年)がファインセーブではじき出す。この大野をはじめ、ゴール前で堅い山梨学院の前に流経大柏も1点を奪うことができない。それでも流経大柏は後半25分、中村の突破を起点に最後はゴール前の混戦から交代出場のMF菊地泰智(1年)が頭で繋いで本田が右足シュートを叩き込んだ。

 勝利にこだわる流経大柏は殊勲の10番に笑顔で駆け寄り、喜びを爆発させた。このリードを守って1-0で勝った流経大柏の鈴木は「50番(加藤)が代表って言われていて、そこだけ気をつけていれば大丈夫と言われていたので、そこを潰すことを徹底して、あとはボランチが結構足下あったりしたので自分たちのボランチに強く行けと言っていた。無失点で行けてよかった」と狙い通りの守備と無失点勝利に満足げ。新チームの守備面について早くも手応えを感じつつある流経大柏が強豪対決を制し、決勝進出を決めた。

(取材・文 吉田太郎)

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