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[選手権]「優勝しかない!」後半ATの劇的弾、國學院久我山が青森山田下し初の決勝へ!!

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[1.9 全国高校選手権準決勝 青森山田1-2國學院久我山 埼玉]

 第94回全国高校サッカー選手権大会は9日、埼玉スタジアムで準決勝を行い、第2試合では國學院久我山高(東京A)が青森山田高(青森)を2-1で下し、初の決勝に勝ち進んだ。第1試合を制した東福岡高(福岡)との決勝戦は11日、場所は同じく埼玉スタジアムで14時5分にキックオフする。

 2009年度大会以来6年ぶりの決勝進出を目指す青森山田の布陣は4-5-1。GKは廣末陸(2年)、DFラインは右からDF原山海里(3年)、DF近藤瑛佑(3年)、DF常田克人(3年)、DF北城俊幸(3年)。アンカーにMF住永翔(2年)が入り、1列前にMF高橋壱晟(2年)とMF神谷優太(3年)が並ぶ。右MFは豊島祐希(3年)、左MFは嵯峨理久(2年)が務め、1トップにはFW鳴海彰人(2年)が入った。

 対する初の4強に勝ち進んだ國學院久我山。東京勢としては1998年度の帝京高以来、決勝進出自体も東京勢としては帝京高以来2校目となる快挙を目指した。布陣はこちらも4-5-1。GK平田周(1年)、DFラインは右からDF宮原直央(3年)、DF野村京平(3年)、DF上加世田達也(1年)、DF山本研(3年)、ダブルボランチにMF知久航介(2年)とMF鈴木遥太郎(3年)が入り、2列目は右からMF内桶峻(3年)、MF名倉巧(2年)、MF小林和樹(3年)。1トップはFW澁谷雅也(2年)が務めた。

 最初に敵陣を崩したのは青森山田だった。今大会注目を集める原山のロングスローでチャンスを見出すと、前半14分、右サイドから入ったロングスローをニアで常田がそらす。これを鳴海が頭で流し込み、幸先よく先制に成功した。

 ただ大声援に押される國學院久我山もすぐに反撃に出る。前半20分の左サイドから切り込んだ小林のシュートはGKの右手一本で阻まれるが、同25分、再三いい突破を見せていた名倉が左サイドを抜けると、マイナスクロスを野村が頭で合わせて、試合を振り出しに戻した。

 同点となったゲームは一進一退の展開が続く。前半33分に青森山田が自陣からのFKの流れで放った嵯峨の反転ボレーがクロスバーを叩けば、同40分には今度は國學院久我山の野村のヘッドがクロスバーを直撃。互いに譲らないまま、前半を1-1ドローで折り返した。

 後半、最初に動いたのは青森山田。開始と同時に嵯峨を下げてFW田中優勢(3年)を投入。同13分には豊島に代えてMF吉田開(3年)を送り込む。しかし同12分の右クロスから神谷が決定機を迎えるが、GK平田の渾身のセーブに遭い、押し込めない。同18分のゴール正面のFKも、神谷のシュートは枠左に外れる。同22分の左CKの流れから蹴った神谷のミドルもクロスバーに嫌われた。

 後半立ち上がり押され気味だった久我山も鋭いカウンターで徐々に応戦。後半23分には内桶の突破から鈴木がシュートを狙うもわずかに枠上。同28分には名倉が中央をドリブル突破。エリア内に入るが、シュートはわずかに左に外れていった。

 互いに交代カードを切りながら終盤戦へ向かう。後半24分には久我山が小林に代えてDF戸田佳佑(2年)。青森山田は同27分に鳴海に代えてFW成田拳斗(3年)を送り込み、勝負の1点を奪いに行く。ただ、互いに決定機は迎えるが、シュートが枠を捕えない。同41分には久我山10番澁谷がGKを外す場面を迎えるが、左に流れて放ったシュートは、タメが利かずに左に外れていった。

 だがドラマは最終盤に待っていた。PK戦も見え始めた後半アディショナルタイム3分、右CKが左に流れると、山本の入れ直しを戸田がコースを変えて流し込む。歓喜に沸く埼玉スタジアム。國學院久我山が死闘を制して、初の決勝に駒を進めた。

 ヒーローインタビューに立った清水恭孝監督は、「PKも覚悟していた」と劇的な勝利に信じられないといった様子。決勝点を決めた戸田は、「最高にうれしい。応援してくれる人のためにも何としても決めたかった。ここまで来たら優勝しかない」と興奮気味に話した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 児玉幸洋)

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