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[MOM1686]東福岡MF藤川虎太朗(2年)_復活の総体得点王が先制弾!決勝も「暴れたい」

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.9 全国高校選手権準決勝 星稜高 0-2 東福岡高 埼玉]

 今大会初先発の全国総体得点王がいきなり結果を残した。東福岡高は右足首の負傷によってベンチスタートが続いていたMF藤川虎太朗(2年)がインサイドハーフの位置で先発。貴重な先制点を決めた。

 0-0のまま迎えた前半45分、東福岡は中央のMF中村健人主将(3年)が相手のプレッシャーよりも一瞬速く左サイドへボールを叩く。これで抜けだしたMF橋本和征(3年)が丁寧に折り返すと、走りこんできた藤川がファーストコントロールでDFを外してから豪快な左足シュートをゴールへ叩き込んだ。「(自分は)ドリブルとかスピードが他の選手に比べてない。(自分は)ああいう相手の隙を突くというところで持ち味があるので、自分としてもいい形かなと思いました」。藤川“らしい”相手の隙を突く動きとテクニック、そして得点感覚の高さを発揮するファインゴール。先発復帰戦で見事にゴールを奪い取った。

 普段に比べると、キレはまだまだ。ボールロストするシーンもあった。だが前半22分に絶妙なループパスでチャンスを演出し、その後も中盤からいい形でボールを持ち出し、攻撃の起点になった。そのプレーについては森重潤也監督も「試合の中でもしっかりと点を取るという仕事もしましたし、キレは本来もっと持っているプレーヤーだと思うんですけど、しっかり仕事をしたと思います」と評価していた。

 9月末に右足首を負傷して選手権予選の出場は準決勝から。今大会序盤はまだ痛みもあった。どこか動きが重く、らしからぬパスミスも。いずれも交代出場だった準々決勝までの4試合のプレーについて本人は全く満足していなかった。だが、準々決勝から準決勝の3日間で猛アピール。「時間が経つにつれて足の調子も良くなったので、そういうところでこの3日間は自分の持ち味を出してアピールする場だった。みんなは調整するという気持ちがあったと思うんですけど、自分はスタメン取りたいっていう気持ちだった」。

 そしてメンタル面、フィジカル面でも信頼を勝ち取って先発を奪還。この試合で意識していたことは運動量を増やすことだった。「まず前半はボール来なくてもたくさん走ることをイメージして運動量を上げて、そうしたら自然と後半足が動くかなというところで特に前半はボール来る来ない関係なく走ることを意識していました」。意識的に走り続けたことで動きにもキレが出て、ゴールシーンの動きにも繋がった。

 夏の全国高校総体では5ゴールを奪って得点王(他3人)を獲得した。2年生だが「言うだけの存在でなくてプレーでも自分が示す。3年生がいても自分がリーダーシップをとって行くことを意識している」という通りに、3年生の中で臆することなく、試合を決めるようなプレーを連発。チームの中心的存在であることを示して日本一へと導いた。憧れの舞台である選手権では出遅れてしまったが、それでも大事な試合でやはりチームの中心であることを示し、自らのゴールで決勝へ。「ボクはきょうやっとスタートラインに立てたという気持ちで、あと1試合試合しか無いんですけど、今まで出られなかった分、しっかり明後日の試合で暴れたいと思います」。決勝でこれまでの悔しさを晴らすような活躍をして、ヒガシを夏冬連覇へ導く。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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