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[選手権]「勝敗がつくのは仕方がない」…中学時代の同僚、親友対決制した久我山MFが思い背負い決勝へ

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[1.9 全国高校選手権準決勝 青森山田1-2國學院久我山 埼玉]

 國學院久我山高のプレーメーカー名倉巧(2年)と、青森山田高の守護神廣末陸(2年)。互いのプロフィールの前所属の欄には、FC東京U-15深川と記されている。中学まで同じ場所で汗を流した仲。高校で別々の道に進んだ2人が、新聖地・埼玉スタジアムで相対した。

 2人にとっての決定機は後半28分、名倉がDFの合間を縫って中央突破を図ると、廣末の守るゴール前まで到達。ただ前に出た廣末の迫力に押されたかのように、シュートは枠左へと外れていった。「今日はゴールを取りたい気持ちはいつも以上にあった」。決勝進出を決めた名倉だが、本気で悔しそうな表情で振り返った。

 今でも関係性は続いている。選手権が始まる前には2人で食事に出かけたほど。大会直前の合宿では同じ宿舎だったため、一緒に温泉にも入った。決戦前にはLINEを通じて「お互い頑張ろうな」と健闘を誓い合った。だからこそ、親友対決だったからこそ、結果に後腐れはない。名倉が試合後、「優勝するから」と声をかけると、廣末は頷いた。

「サッカーなので勝敗がつくのは仕方がないこと。廣末の思いを背負って、自分は絶対に優勝したい」

 ライバル廣末も名倉に思いを託す。名倉については「プレースタイルは中学から変わっていない。一つひとつのクオリティがレベルアップしていた。相手にいて嫌だなと思った」と素直に称えると、「久我山が東福岡に負けたら自分達の負けが無駄になる。自分たちが勝ってきたチームのためにも優勝してもらいたい」とエールを送った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 児玉幸洋)

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