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[選手権]前年王者・星稜はシュート一本で決勝前に散る…河崎監督「来年はサッカーさせます」

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[1.9 全国高校選手権準決勝 星稜高 0-2 東福岡高 埼玉]

 90分間を通じて放ったシュートは、まさかの一本。3年連続の決勝進出、なによりも2連覇を目指した星稜高(石川)だったが、東福岡高(福岡)に0-2の敗戦。後半9分に放ったシュートが唯一のものとなり、なす術なく散った。

 星稜高の河崎護監督は、優勝した昨年までのチームと比較して、「チーム力や個人力で劣るなか、よくここまで連れて来てくれた」と4年連続4強入りした選手たちを称えながらも、「これだけいい環境でなぜサッカーをさせてもらえない。サッカーをしない」と険しい表情。「来年はサッカーをさせますから」と誓った。

 一昨年12月26日の交通事故で入院し、優勝した前回大会では最後まで現場復帰を果たすことができなかった指揮官。昨年9月1日に正式に現場復帰を果たすと、約4か月で冬の日本一決定戦を迎えることになった。選手たちは「河崎先生の前で優勝しよう」と口を揃え、2年連続の頂点を目指したがシュート1本で敗退という悔しい結果。

 DF六田邦宏(3年)が「河崎先生の前で優勝したいという気持ちはやっぱりあって、それが実現できなかったのは悔しい」と言えば、GK坂口璃久(3年)も「去年優勝しても、ここで監督を胴上げできずに心残りがあった。今年こそはと思っていたのですが……」と唇を噛む。

 先輩たちと思いを同じく、2年生ながら背番号10をつけるFW窪田翔(1年)も「河崎先生の目の前で優勝したかった」と肩を落とした。ベンチスタートだった10番は0-2の後半16分から出場するもシュート0本。「30分しかない、とにかく狙っていけ」と送り込まれたが期待に応えることはできなかった。

 指揮官は窪田ら下級生に言及すると、「しごき倒します。(今日の試合では)見て分かるように立ってるだけ。全く物足りなかった」と語気を強め、「来年は1年間かけて見れるので」とコメント。窪田は「星稜の10番は本田圭佑選手もつけた伝統の10番。そのなかで自分はそれだけの期待をされていたと思うし、責任はかかってきていたので重みは感じていた。なのに今大会で自分は何も出来ずに悔しい。来年こそは絶対……」と悔しさ交じりに誓った。

 来季のチームを背負う立場となる10番は「このチームで優勝できなかったのは、足りない部分が個人にもチームにもあったということ。そこを突き詰めて厳しさを持って一年やらないと。最終的にはこの舞台に戻ってきて優勝したい」と言う。先輩たちの叶わなかった夢は、後輩たちへ引き継がれた。来季こそ2年ぶりの決勝進出を遂げた上で、河崎監督の目の前で日本一になる。

(取材・文 片岡涼)
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
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