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[選手権]前日練習は対照的に…17年ぶりVへ、東福岡はみっちり約2時間汗流す

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 第94回全国高校サッカー選手権大会で、17年ぶりの決勝進出を果たした東福岡高(福岡)が10日午前、埼玉県内で決勝(11日、埼玉)前日練習を行った。

 「いつもはもっと激しくやりあうけれど、きょうは接触はなし。いつもより軽めだった」と選手たちは振り返ったものの、準決勝から中1日で決勝が控えているにも関わらず、約2時間しっかりと身体を動かした。決勝戦で戦う國學院久我山高(東京A)は、他会場で約1時間のリカバリー中心のメニューに留めており、決勝前日の過ごした方は対照的なものとなった。

 この日の東福岡高は約20分間、フィジカルトレーニングを行うと、その後は鳥かごやヘディング、パス練習などボールも使った。練習開始から約1時間後にはシュート練習も開始。なかでも、約40分と多くの時間をセットプレー練習に費やした。CKだけでなく様々な位置からのFKを想定。キッカーを務めるMF中村健人主将(3年)は「きょうは納得いくまでやりました」と振り返った。

 FK練習では壁の位置を細かく調整。主将は「芝が長い分、ボールコントロールがしづらい部分があるので。ピッチに慣れるために」と入念にセットプレー練習を行った理由を明かす。

 両校の先発メンバー(準決勝)の平均身長を比較すると、久我山の171.2cmに対して、東福岡は175.8cm。技巧派集団の久我山だが、小柄な選手が多く、高さでは東福岡が有利になる。ここに勝機があるとみて、前日練習では多くの時間をセットプレーに費やしたようだ。

 準決勝でゴールを決めたMF藤川虎太朗(2年)は「あそこでファウルを取ったら、チャンスはいつもより多くなるかも」とFKの重要性を口にし、184cmの高さがあり、1トップを務めるFW餅山大輝(3年)は「自分が前で起点になることが鍵になる。相手が低いとか意識せずに競るところは競り勝ちたい」と誓った。ボールを配給する中村は「前半の最初でどういう球種がいいのか見極めて、そこからは中としっかり合わせていきたい」と意欲をみせる。

 初の決勝進出を果たした國學院久我山高は東京勢として24年ぶりの優勝をつかむべく、挑んでくる。相手のイメージを語った中村主将は「中盤での交換など、パスが丁寧でよくパス回しできるチームだなと。中でも10(澁谷)と14(名倉)が個の質が高く、ドリブルもあるので注意していきたい」とFW澁谷雅也(2年)とMF名倉巧(2年)の2年生コンビを挙げて、警戒した。

 “最弱”と言われてきた世代が前評判を覆し、日本一まであと一歩に迫っている。中村は「ここで優勝することで周りの目や言われてきたことを跳ね返すチャンス。弱いと言われたまま卒業したくない。明日、優勝するしかない」と力を込めた。17年ぶりの戴冠へあと一勝だ。

(取材・文 片岡涼)
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