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『白紙からの選択』連載終了記念!遠藤保仁インタビュー「まだまだ上手くなりたい」

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 最新著作『白紙からの選択』を昨年12月に刊行したガンバ大阪遠藤保仁。書籍の発売を記念したゲキサカでの短期集中連載も大反響のうちに終わった中、特別編と題して遠藤がゲキサカに登場! 間もなく36歳を迎えようとしている現在もなお日本サッカー界のトップを走り続けるMFが、サッカーへの想い、そして五輪に対する熱意までを明かしてくれた――。

万人受けする
プレースタイルではない


――ゲキサカで書籍の一部を抜粋して掲載してきた中で、一番読まれていたのが、遠藤選手もイチオシとして選ばれていた「この機会に、反論します」の回でした。
「ようやく、僕のことをわかってくれたのかな、という感じですね(笑)」

――マイペースと周囲の人から見られる理由を、ご自身ではどう分析されていますか?
「他の人から見たらゆっくりしていますし、まぁ、実際マイペースですから(笑)。ただ、『マイペースでいいね』って言われることには、反論したい。だって、マイペースって自分のペースってことですから、みんな自分のペースがありますよね?」

――慌てたり、急ぐことはあるんですか? 車の運転でも急ぐことがないという話も聞いたことがあります。
「慌てることはほとんどないですよ。サッカーに関して言えば、本当にないです。車を運転していたら急ぐこともありますけど、スピード違反で捕まったことはないですし、捕まらない自信もあります。僕、ゴールド免許ですから(笑)」

――それはスゴイですね(笑)。じつは次に人気があった記事が「自分で『遅い』と思ったことは一度もない」という内容でした。
「本にも書きましたけど、足は遅いです。でも、プレーのスピードは遅いとは思ってなくて、効率よく見えないけど、結果として効率的なプレーをしているだけなんですよね。観客席で見ている人がボールばかりを追いかけていたら、僕は一度後ろにボールを下げたりするので遅いと感じると思います。でも、見ている人が選手を追いかけていたら、僕がボールを下げることで、先のプレーの選択肢が増えているので、遅いとは思わないはずです。ボールと選手を同時に見てもらうのが一番いいんですけど、サッカーを見慣れていない人には難しいかもしれないですね。僕は万人受けするプレースタイルではないですから。1年間毎試合スタジアムに来てくれたら、いいところがわかってもらえる選手です」

考えなければ
リセットはできる


――遠藤選手はクラブハウスを出たら頭をリセットされているそうですが、サラリーマンや学生といった読者の方にリセットするコツを教えてください。
「考えないことです。僕の場合は意識的にやっているというよりは、自然と身についている感じですね。聞かれれば答えますけど、自分からサッカーの話はしません。人に仕事の話をするのもどうかと思うので、昔からしないんですよ」

――ご自宅にサッカーに関するものがあると、サッカーのことを考えないですか?
「ユニフォームとか、トロフィーとか、自宅になくて、全部実家に置いてあります。家でサッカーを見ることもないですし、練習が終わればサッカーのことを考えないんですよ、本当に」

――お子さんがサッカーをされているそうですが、サッカーの話にはなりませんか?
「一番上の子が小学4年生なんですけど、アドバイスを求められることがなくて。子どもがテレビでサッカーを見ていると一緒に見ることもありますけど、僕がすぐにチャンネルを変えてしまいますからね。文句は、言われます(笑)。でも、パパがいないときに、たっぷり見てくださいって感じですね(笑)」

――遠藤選手はどんなサッカー少年でしたか? 著書の中で高校時代は部活ばかりしていたと書かれています。
「高校生のときは、1人のミスがチーム全体の責任になったり、意味もわからず走らされたとか、理不尽だと思ったことは数えれば切りがないですね……。ツラかったですけど、辞めたいと思ったことはなかったです。部活でメンタルは強くなります。限界まで練習しますから、根性が座る。『この試合に勝てば人生が変わる』という状況がきたときに、ドシッと構えられると思いますよ」

――ゲキサカを読んでいる高校生に、ツライ練習を乗り越えるためのアドバイスをいただけませんか?
「サッカーを通してツライことを乗り越えていくのは、社会に出てからも間違いなく役に立つと思います。高校生は3年間しかないですから、その3年を全力でサッカーに費やすのも青春ですし、僕はそうしてきました。いま考えれば、もっと遊びたかったと思うときもありますけど(笑)、高校で3年間がんばったからいまがあるとも思っています。サッカーを楽しみながら、高い目標を持って努力してもらいたいですね」

いまだ叶わぬ舞台…
「やっぱり五輪には出たい」


――「シドニー五輪での落選が分岐点になった」と著書で語られています。その後の北京五輪ではオーバーエイジ枠での選出が期待されていましたが、体調不良のため辞退されました。五輪への想いを聞かせていただけますか。
「五輪には出たことないので、一度でいいから出たいという想いは強いです。年齢的にも次がラストチャンスかなとも思いますし。ただ、オーバーエイジ枠は3つしかないですし、そもそも使わないかもしれないですし。あと、若い選手の気持ちを考えると複雑なところもありますけど……、そうそうチャンスはないので、やっぱり五輪には出たいですね」

――ちょうど1年前の遠藤選手は日本代表としてアジア杯を戦われていて、現在はU-23代表がリオ五輪予選を戦っています。短期決戦に臨む上で遠藤選手が心がけていることはありますか?
「より重要なのは、先に点を取ること。良い準備をしたり、相手を分析するのはいまや当たり前のことですから、とにかく先制点ですね。決勝トーナメントに入れば、より重要になると思います」

――遠藤選手ご自身の経験として、99年のワールドユース(現U-20W杯)、00年のシドニー五輪のチームは個性的な選手ばかりでした。
「ワールドユースのときは、かなり調子に乗ってました。いま思えば、勢い任せだったし、それがいい方向にいっただけでしたね。シドニー五輪のときは、歴代で一番ポテンシャルがあるチームだったといまでも思いますけど、チームのまとめ役になる人がいましたから全員がチームのために戦えていました」

――間もなく36歳を迎えられる遠藤選手は、ちょうど人生の半分をプロサッカー選手としてプレーされていることになります。19年目のシーズンへの想いをお聞かせください。
「コンスタントに試合をしながらいろいろなことを経験できましたし、選手としての平均寿命が短い中でこれだけ続けていられるのは、本当にありがたいです。プロに入った頃は何歳まで続けようとか思っていなかったですけど、いまもプロとして試合に出られているのは、いろいろな方に支えられてきたので、より一層サッカーを楽しみたいと思います。まだまだ上手くなりたいですから」

(取材・文 奥山典幸)

<書籍概要>
■書名:白紙からの選択
■著者:遠藤保仁
■発行日:2015年12月12日(土)
■版型:四六判・200ページ
■価格:1200円(税別)
■発行元:講談社
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