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「オファーがなければ引退」…GK高橋、J3自主退団からのJ1横浜FM挑戦

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 退路を断つことで巡ってきたチャンスだった。GK高橋拓也はオフに一念発起、Y.S.C.C.横浜を自ら退団する決意をした。「J3は厳しい。どこかで覚悟を決めないといけないと思った」。26歳の決断だった。

 昨夏に分岐点になる出来事があった。あるJ2クラブから獲得のオファーが届いたのだ。神奈川大から12年にYS横浜に入団。JFL時代も含め、4年間で通算100試合を超えるキャリアを積んでいた高橋の心は揺れた。その時は契約の関係もあり、移籍が実現することはなかったが、「自分にもチャンスがあるんだと感じることができた」。11月に入籍を控えていたが、決断に迷いはなかった。

 ただ、お世話になったチームを離れるからには、自らに高いハードルを課していた。「J2以上のクラブからオファーがなければ引退しよう」。チームメートの誰にも相談せずに下した決断だったが、決意は固かった。

 幸いにもJ3クラブの2チーム、J2クラブから1チームが獲得に興味を示してくれた。そして年末、J1・横浜F・マリノスからの吉報が届いた。高橋は15歳まで横浜F・マリノスジュニアユース追浜で過ごしている。待ちに待った古巣からのオファーを二つ返事で快諾した。

 GKという特殊なポジション柄、試合出場には困難が待ち受けていることは分かっている。ただ、ここ4年間、コンスタントに試合に出続けたということが、厳しいポジション争いへの自信になっている。「アグレッシブにゴールを守るプレーを見てほしい」。ようやく得たチャンス。回り道でなかったことは自らのプレーで証明する。

(取材・文 児玉幸洋)
※名鑑データは2015年シーズンのものです。最新のものは2月上旬のJリーグ正式発表までしばらくお待ちください。

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