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[MOM1690]明秀日立MF大野拓朗(2年)_ベンチプレス110kg、全国経験したパワフルな潰し屋

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.23 茨城県新人戦準決勝 明秀日立高 0-0(PK4-3)鹿島高 鹿島ハイツ]

 昨年、全国トップクラスの相手にフィジカル負けしないために取り組んでいたベンチプレス110kgは、下級生だった昨年の時点でチームトップ。そのフィジカル能力の高さを全面に出したボール奪取、ヘディングで明秀日立高を白星へ導くMF大野拓朗(2年)が準決勝で存在感を発揮した。

 守備から素早く攻撃に移る鹿島高を中盤で阻止。相手のスピーディーな攻撃の前に苦戦するシーンもあり、本人は「あんまり良くなかった」と振り返っていたが、明らかに胸板の厚さなどで他と体格の違うMFは「当たり負けは絶対にしないし、あんまり倒れないです」というコンタクトの強さによって競り合いで相手を潰し、セカンドボールの攻防では抜群の強さを発揮した。

 ケガの影響で決勝は後半途中からの出場だったが、それでもピッチに入るとチームの雰囲気は一変。球際での激しい接触プレーを全く怖れず、非常に深い一歩でねじ伏せるようにボールを奪い取る。2試合で先発した全国高校選手権でもそのボール奪取、ヘディングでチームに貢献したMFは全国レベルのプレーをこの日も表現していた。昨年からの経験者である大野とMF前川翔梧(2年)のダブルボランチの強さ、激しさは全国8強を目指す明秀日立に欠かせないだろう。

 萬場努監督はその大野がもう一段階ステップアップするために「ボール奪取能力をより研ぎ澄ましていくことはもちろんなんですけれども、もうちょっと展開的なところで長いパスを蹴れるようになってくれるともっと幅ができると思う」と期待する。本人も自身の課題について理解しており「展開力はもっとつけないといけない。もうちょいファーストタッチとか良くして周り見えないといけない」と改善へ意欲。ボールを奪い取る能力をより伸ばし、展開力を高めることによってスキル高いアタッカー揃う今年の明秀日立の攻撃をより引き出す。「選手権に出て引退したい」。全国を知る中盤の柱が、チームとともに成長を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)

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