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[東京都クラブユースU-17選手権]今年はプレミア、T1、そしてU-23チームでJ3も!F東京U-18が挑戦する「個」と「総合力」強化

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[1.24 東京都CYU-17選手権決勝L第1節 F東京U-18 4-0 C.A.Seis Rayos Tokyo 東京ガス武蔵野苑多目的G]

 東京都クラブユースサッカーU-17選手権大会決勝リーグ2BグループのFC東京U-18対C.A.Seis Rayos Tokyo戦が24日に東京ガス武蔵野苑多目的グラウンドで行われ、F東京が4-0で快勝した。

 F東京U-18は今年、高校年代最高峰のリーグ戦である高円宮杯プレミアリーグEAST出場に加え、BチームがT2リーグ(東京都2部リーグ)からT1リーグ(東京都1部リーグ)へ昇格。Bチームの選手たちも全国高校選手権準優勝の國學院久我山高や同8強の駒澤大高、全国高校総体4強の関東一高、横河武蔵野FCユースなどの強豪と年間のリーグ戦を戦うことになった。そして主力組については、今年からU-23チームが参戦するJ3での活動も加わることになりそうだ。現時点でF東京トップチームに所属するU-23選手は10人ほど。そのために、U-18チームの選手の多くがJ3でも戦うことになるだろう。これまで以上に必要となってくるレベルの高い個。だが、チームはこの要求に対して前向きに挑もうとしている。

 佐藤一樹監督は言う。「J3に絡む選手も出てくると思いますので、どんな状況になってもいいようにチーム作りをしっかりやっていく。(個々、チームとして)しっかりベースアップしていかないといけない。FC東京にとってもチャレンジの年になる。(主力を欠くことを)ポジティブに捉えて上手く利用しながら、勝ちも目指していく。勝ちを拾っていくには難しい状況かもしれないですけど、結果も出せれば本物に近づいていく。(難しい状況に)しっかりと向き合ってポジティブに進めていきたい」。指揮官、そして選手たちが口にするのは「総合力」という言葉だ。佐藤監督は「主力が抜けていく中で総合力を上げていかないといけない。誰が入ってもやれるように。日本代表はパッと2、3日前に集まってもパフォーマンス出さないといけないし、いい選手というのはパッと入っても誰とでも共鳴、共有してチームの駒になりながら自分の力を出せる。言うのは簡単ですけどやるのは難しい。でもチャレンジできるのがFC東京のU-18だと思うし、志を高く持たないとダメ」と語り、U-18チームの中軸であるMF鈴木喜丈(2年)は「総合力を上げていかないといけないと思っているんですけれども、競争は去年よりも激しいというものになっていると思います」とシーズンの本格的なスタートの前にチーム内でレベルアップを目指して良い競争ができていることを説明した。
 
 その日常の競争の中でアピールした11人がまずSeis Rayos(セイス ラージョス)戦の先発を務めた。1年時から主力のCB岡崎慎(2年)や主将のCB蓮川壮大(2年)、鈴木、右MF生地慶充(2年)らが出場。立ち上がりから圧倒的にボールを握ったF東京だが、1次リーグから決勝リーグ進出決定戦を経て勝ち上がってきたSeis Rayosも健闘してみせる。人数をかけた守備から各局面できっちりと体を寄せ、振り切られそうになってもスライディングなど最後まで諦めずに体を投げ出してシュートコースを限定した。
 
 また、生地の左足ミドルをGK細渕樹木(2年)がファインセーブするなどビッグプレーも出してF東京に食らいつく。それでもF東京は前半25分、鈴木を起点とした攻撃から中央で前を向いた生地が前方へパス。これを受けたFW松岡瑠夢(2年)が鋭いターンから振りの速い左足シュートを打ち込むと、ボールはゴール右隅へ突き刺さった。「今年のチームはパスを回すクオリティを持った選手が多いので、固められても焦られないで回していけばいつかは点取れると思っていた」と松岡。さらに3分後の28分には右サイドからボールを運んだ生地が左足シュートをねじ込んで2-0とする。そして38分、右サイドをMF内田宅哉(2年)が斜めに切れこむと、その折り返しがMF杉山伶央(1年)へ通る。最後はクリアボールを奪い返してから、松岡が再び左足シュートを叩き込んだ。

 松岡も口にしていたようにボールを動かせる選手がコンビネーションで相手の守りを崩していく中で、最終学年となって責任感を増した鈴木が中盤で抜群の存在感を放ち、生地の突破、SB岡庭愁人(1年)の豊富な運動量、松岡の技ありシュートなど個々が持ち味を発揮。そして5人を入れ替えた後半開始直後には交代出場のFW半谷陽介(2年)の折り返しを同じく交代出場のMF鈴木郁也(2年)が合わせて4-0と突き放す。後半17分には中学2年生のU-15日本代表MF久保建英を投入するなど、交代枠の9名を最大限に活用。右SB吉村寿輝(2年)が決定的なクロスを通すなどサイド、中央から再三チャンスをつくりながらもシュート精度を欠いたことに加え、Seis Rayosも好守からMF鈴木優(2年)やFW松永周丸(1年)、MF渡邉海斗(2年)がよくキープして松永がミドルシュートを放つなど、最後まで諦めずに戦い続けたことでそれ以上スコアは広がらなかった。それでも佐藤監督は「最後のフィニッシュのところが数字に繋げられればと思いますけれども、個々のパフォーマンスというのは鍛錬期の鍛えている中ではしっかり表現してくれようとしてくれていたのかなと思います」と及第点を与えていた。

 これまで以上に高いレベルでの1年間を過ごすことになる今年のF東京U-18。選手たちはU-18チームやU-23チームで活躍することがトップチームへの近道になることも理解している。松岡は「今年はT1、プレミア、U-23という3つがあるので『総力戦になる』というのは言われている。『自分の現状に満足せずに常に上を目指してやれ』と言われているのでまずは自分のチームで結果を出して上のチームを目指していきたいです」と力を込め、鈴木も「J3で結果を残せばトップに行けると思うので、J3で活躍することは目指していきたいですし、そのためにはまずU-18で結果を出すことが大事だと思う。チームも大事ですけど、個人としても点取ったり、いいプレーをしていきたいですね」と意気込んだ。

 その意欲、熱意はスタッフたちにも伝わってきている。佐藤監督は「モチベーション高くもってやってくれている選手も増えてきている。ふつうのクラブチームのU-18のチームというよりはよりトップに近い主体性もって、自覚をもってやっていかないと成り立たなくなっていく。責任はボク含めて個々にかかってくる部分もあると思うので。幸い、そういうものを要求しても応えてくれるような選手とできているので、一緒になって楽しんで、ポジティブな方向に行けるようにみんなで肩組んでやっていきたい」。クラブが「アカデミーの各年代のボトムアップ」を掲げる中で大いなる挑戦をスタートさせているF東京U-18。「(攻撃力を評価される一方で)例年に比べたら守備が……と言われているんですけど」と鈴木は苦笑するが、チームとして全国3冠という目標を目指しながら、個の成長と質、総合力の向上を徹底的に目指す。

[写真]ゴール、アシストと活躍した生地らFC東京U-18の選手たちは、高いレベルの相手との対戦の中で個と総合力強化を目指す

(取材・文 吉田太郎)


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