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中国サッカーのポテンシャルを語るC大阪元指揮官「数年後、欧州トップクラブには中国人選手が数人いるだろう」

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 2014年6月から約3か月にわたってセレッソ大阪の監督を務め、その後に広州恒大のユースアカデミー・ディレクターに就任したマルコ・ペッツァイオリ氏が、ドイツ『キッカー』とのインタビューに応じた。同氏は、数年後には「中国人選手たちの数人が、ヨーロッパのトップクラブでプレーするだろう」と予想している。

 ヨーロッパのビッグネームを高年俸で次々と引き入れていく中国のメガリッチクラブ。その一つに挙げられるのが、広州恒大である。現スーパーリーグ王者の同クラブはFWロビーニョやMFパウリーニョと欧州リーグ、またブラジル代表でも活躍したスター選手たちを獲得し、元イタリア代表監督マルチェロ・リッピ氏、元ブラジル代表監督ルイス・フェリペ・スコラーリ氏と過去にワールドカップ(W杯)優勝を果たした監督たちも呼び寄せた。

 しかし広州恒大は有名な選手や指揮官たちを引っ張ってくるだけでなく、スポットライトがなかなか当たらないユースの指導にも積極的に取り組んでいる。そこで辣腕を振るっている人物こそが、ペッツァイオリ氏だ。

『キッカー』の取材を受けたペッツァイオリ氏は、肌で感じている中国サッカーの現状について語った。同国でのサッカーの人気については、次のように話している。

「ここでは、サッカーが大きなブームとなっている。プロサッカーにおいては、特に1部リーグがたくさんの観客によってにぎわっているね。広州でも常に5~6万人のファンを動員しているんだ」

 ペッツァイオリ氏は一方で、自身の仕事でもある育成について中国が「少々遅れを取っている」としながらも、今後の発展を確信している様子だ。その理由としては「幸いにもこの国はサッカーを愛しており、W杯優勝を目標とする国家主席がいる。このスポーツは義務教育の一部に含まれるようになった」と、国レベルでサッカーを強化する動きがあることを挙げている。また、そのような環境は、クラブが選手育成に力を入れることを後押ししているのかもしれない。

「我々のユースアカデミーでは3000人の子供たちの面倒を見ており、下部組織としては世界一の規模と言われている。学校とサッカーを組み合わせた組織で、子供たちの親が年間3000~5000ユーロの受講費を支払っており、子供にサッカー教育を受けさせている」

「ただ、それだけではプロスポーツと関係付けることができない。だから各年代にエリートチームも設置されており、専任のユースコーチが21人いる。レアル・マドリーと提携しているため、スペイン人のコーチが多いね。そのためマドリーには毎年にわたって巨大な金額、2桁のミリオン額(1000万ユーロ以上)を支払っている」

 ペッツァイオリ氏は広州恒大とマドリーとの提携についてさらに踏み込み、「我々はエリートチームのトッププレーヤーたちを、6~9か月間にわたってマドリッドでプレーさせることもできる。あそこで、さらなる教育を受けるためにね」と、中国人選手たちがスペインの首都で経験を積めることも説明。他方、自身の役割について「選手個人の教育ではなく、スカウティング、サッカースクール、連盟で新たなインフラストラクチャーをつくること」と語る同氏は、中国が抱える課題も挙げている。

「中国では短期的な成功のみが重視されがちで、その考え方を変えるためには時間が必要だ」

「もちろん、メンタリティーも課題だよ。選手だけではなく、責任者に関してもね。変化をもたらそうとしても、中国では実際にそうなるまで時間がかかることが多い。だから人々を怒らせず、しぶとく構えることが必要だ。リスペクトが大事なんだよ。知識や理論でもって、説得を行わなければならない」

 ペッツアイオリ氏は、その課題を乗り越えられれば、ヨーロッパでプレーする中国人選手が増えると予想している。

「現時点においては、U-19ブンデスリーガでプレーできるようなプレーヤーは少ない。それでも何人かはいるがね。それに我々は一選手(FWリン・リャンミン)をマドリー移籍によって失った。彼はマドリーで、U-19チーム(フベニールA)のレギュラーだよ」

「しかしながら次のステップに進むまでは、もう少し時間が必要だろう。中国で不足しているのは、高いレベルでの競争が毎週にわたって行われることだ。あと数年はかかるが、その後にはヨーロッパのトップクラブでプレーする数人の中国人選手が見られるだろう。我々のクオリティーは非常に高いからね」

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