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「チームを象徴する国旗」「気持ちが同じと証明された」…一体感生んだU-23代表DF岩波のある行動

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 チームが勝てなかったのが悔しかった――。手倉森ジャパン発足当初からメンバーに名を連ねるU-23日本代表DF岩波拓也(神戸)は活動機会が長い分、悔しい思いもしてきた。14年1月のAFC U-22選手権、同年9月のアジア大会ではベスト8敗退。15年夏以降は強化試合で勝ち切れない試合が続き、岩波自身も「あまり勝てないと評価されていると思う」と悔しさを滲ませていた。そして、周囲の評価を覆すためにも、どうしてもリオ五輪まで辿り着きたいという強い思いが、ある行動を起こさせる。

「こういう大会ではまとまりが絶対に必要」と感じていた岩波は、国旗を日本から持参。最終予選が始まる前にホテルの部屋を一部屋一部屋訪ね、全選手に“思い”を国旗に記してもらう。そして、中央に手倉森誠監督の文字が書き込まれた国旗は、「ロッカーにあれだけ大きな日の丸に文字が書いてあれば、皆見ると思う」(岩波)と必ず試合が行われるロッカールームに貼られ、チームの士気を高める役割を担っていた。

「一つになるためには何かが必要だと思いました。短いなりにもああやってチーム全員が一人一言、気持ちを書いて、意気込みを示すのは大事だし、少しでもモチベーションになればいいと思いました」

 選手全員が「リオ五輪出場」を目標に掲げているのは、当然分かっている。しかし、胸に秘めた思いを改めて文字にすることで、その思いはチームメイトにストレートに伝わった。

『リオに行こう』と書き込んだMF原川力(川崎F)は「皆の気持ちを実感できたし、その気持ちは一つだと感じられました。あの国旗がチームを象徴していると思います」と語れば、『日の丸の誇り』と記したGK杉本大地(徳島)は「仲間一人ひとりがどう思っているのか分かったし、皆の気持ちが同じだったと証明された国旗」と口にする。チームが少しでもまとまるようにと動いた岩波の思いは、確実にチームメイトに伝わり、一体感を生み出すことへとつながった。

 そして、岩波自身が書いた言葉は「このチームで一日でも長くサッカーがしたい」。その言葉は現実となり、アジアの壁を突破したチームの活動はリオ五輪まで続くことになった。

(取材・文 折戸岳彦)

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