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劇的過ぎる展開の連続で頂点に…U-23代表MF遠藤「誰も予想できない」

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[1.30 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選決勝 U-23韓国 2-3 U-23日本 アブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアム]

 苦しい試合展開となった。後半2分までに2点のビハインドを背負ったU-23日本代表だが、キャプテンは決して下を向かなかった。MF遠藤航(浦和)は「もうこれ以上は失点しない。早い時間帯で追い付きたいと思っていた。当然、諦めることはなかった」――。

 後半15分にスピードスターのFW浅野拓磨(広島)が投入されると、徐々に試合の流れを引き寄せる。「前半からつなぐ意識を持っていたので、拓磨をうまく、より活かせたと思う」と語るように、同22分に最終ラインの裏に抜け出した浅野が決めて1点を返す。直後の同23分にMF矢島慎也(岡山)の得点で同点に追い付くと、同36分には再び裏へと抜けた浅野がネットを揺らして3-2の逆転勝利を収め、アジアの頂点へとたどり着いた。

 劇的な展開で大会を勝ち抜いてきた。グループリーグでは登録23名中22名がピッチに立って3連勝。準々決勝では延長戦の3発でイランを撃破し、準決勝では後半アディショナルタイムのMF原川力(川崎F)の一撃でイラクを退け、決勝では2点差をひっくり返す大逆転勝利を収めた。「本当に誰も予想できないようなゲーム展開になったと思う」と遠藤も感慨深げに振り返る。

 決して下馬評は高くなかったチームが、アジアの頂点まで辿り着いた。「勝てていない世代と言われていた分、悔しさをバネにこういう結果が得られたのはうれしいし、監督をリオに連れていけること、優勝できたことは本当に良かったです」とすべての重圧から解放されたキャプテンは最高の笑顔を見せた。

(取材・文 折戸岳彦)

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