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帰国早々、現実に直面するU-23唯一の大学生・室屋「追試が…」

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 U-23日本代表で唯一の大学生は帰国早々、現実に直面していた。31日夜に羽田空港に到着し、報道陣の取材に応じたDF室屋成(明治大)は「追試があるので、勉強しないと」と、ため息交じりにこぼした。

 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねたAFC U-23選手権の開催期間中が明治大のテスト期間だったという室屋。カタールに出発する前に「大学に行って、追試の申請をしてきた」そうで、「レポートも追試もある。24単位分あるので……」と、五輪切符を獲得した喜びもどこかに吹き飛んでしまったかのようだった。

 “準々決勝の壁”を破ったイラン戦。0-0で迎えた延長前半6分、右サイドの高い位置でボールを受けた室屋は切り返しから左足で絶妙なクロスを上げ、MF豊川雄太の決勝ヘッドをアシストした。試合後は大学のチームメイトやスタッフからメールで「あんな左足、見たことない」「大学では手を抜いてるだろ」とイジられたという。

 4月で4年生になる室屋だが、昨季、特別指定選手として登録されたFC東京からはプロ契約の打診も受けているようだ。過去にはDF長友佑都が明大卒業を待たずに大学4年の時点でサッカー部を退部してFC東京とプロ契約を締結した過去があるが、「長友選手は指定校推薦だったけど、僕はサッカー推薦なので」と、状況は異なるという。

「監督と話し合わないと、どうなるか分からない。気持ちとしては上のレベルでプレーしたいというのはあるけど、どちらでも必ず成長できると思うし、そういう高い意識を持ってプレーしたい」。大学サッカーか、Jリーグか。いずれにせよ、リオ五輪までの半年間が重要な意味を持ってくるのは確かだ。

(取材・文 西山紘平)

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