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“強面会長”ベロンが必死に止めるも… 大乱闘でプレシーズンマッチが「打ち切り」

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 たとえ親善試合ではあっても、南米のライバルチーム同士の対戦が熱くなってしまうのは避けられないことかもしれない。アルゼンチンで行われたプレシーズンのダービーマッチは、大乱闘騒ぎの末にタイムアップの笛を待たずに打ち切られる結末となった。

 問題の試合は1月31日に開催されたエストゥディアンテス対ヒムナシアの「クラシコ・プラテンセ」。ともにラ・プラタを本拠地とするライバルチーム同士がプレシーズンマッチで激突し、エストゥディアンテスが前半に先制ゴールを奪った。

 試合がまず荒れる気配を見せたのは後半開始から10分が経過したところ。昨シーズンまでインテルでプレーし、長友佑都ともチームメイトだったエストゥディアンテスのウルグアイ代表DFアルバロ・ペレイラが危険なプレーでレッドカードを受けた。浮き球に対してA・ペレイラが高く上げた足が頭に直撃する形となり、倒れ込んだ相手選手はしばらく意識を失っていたという。

 さらに試合終了が近づいたところで、ヒムナシアGKが誤審と見られるハンドの判定で退場処分を受けたことも試合の険悪ムードに拍車をかけたようだ。最後はアディショナルタイムにエストゥディアンテスの選手もう1人が後方からの危険なタックルで退場を命じられると、両チームの選手たちが入り乱れての大乱闘に発展した。

 チームスタッフらが必死に制止に入る中、選手たちはお互いにパンチやキックを繰り出し、倒れ込んだ選手を数人が取り囲んで蹴りを浴びせるような場面も見られた。エストゥディアンテスの会長を務める元アルゼンチン代表MFフアン・セバスティアン・ベロン氏も止めに入ったが、興奮した選手たちを抑えることはできなかった。

「残念ながら今日は殴り合いになってしまった。選手たちには反省してほしいと思う。今日ピッチに出たのは彼らであって、責任は彼らにある。我々は我々の責任を負う」とベロン会長は試合後にコメントしている。

 カターニアナポリなどでもプレーしたエストゥディアンテスのアルゼンチン代表GKマリアーノ・アンドゥハルは、次のように状況を振り返った。

「僕らにとっても、見ていた人々にとっても、スタジアムに来た人々にとっても恥ずべきことだ。何が起こったのかは分からない。チームメートが殴られて、その後は全員が入り乱れていった」

 ヒムナシアの監督を務めているのは、日本のアビスパ福岡でプレーした経験もある元アルゼンチン代表ペドロ・トログリオ氏。同監督は再発の防止を訴えている。

「誰もが勝利を目指して戦っているのであって、こういう結末を望んでいるわけではない。何のプラスにもならないし、対外的にも良くないことだ。同じことが繰り返されないように努めたい」
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