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[新人戦]「応援してくれる人たちのため」「良いチームを目指して」戦う本庄一が浦和南撃破して埼玉4強入り!

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[2.7 埼玉県高校新人大会準々決勝 本庄一高 4-3 浦和南高 西武台高第2G]

 平成27年度埼玉県高校サッカー新人大会は7日、準々決勝を行った。ともに支部予選から勝ち上がってきた浦和南高と本庄一高との一戦は4-3で本庄一が打ち勝った。本庄一は13日の準決勝で浦和東高と戦う。

 激しい打ち合いを本庄一が制した。前半12分、本庄一は右サイド後方からPA方向へボールを入れると浦和南GKが頭でクリア。これを競り合いながら上手く収めたFW小林祐太(2年)が「(戻りきれていなかったGKの)位置は見ないで」右足を振りぬくと、鮮やかな一撃がゴールへ突き刺さった。前日に優勝候補の一角、西武台高を下した浦和南はFW高窪健人(2年)にボールを当てて、そのこぼれ球を拾って攻撃につなげようとする。それに対して本庄一はMF岩上翔吾(2年)らスキル高い選手たちがボールを収めて攻撃に繋げようとしたが、相手のプレスの速さの前に慌ててしまい、攻撃が単調になってしまっていた。

 1点ビハインドの浦和南はハーフタイムに3選手をチェンジ。ギアを上げると後半4分に右MF江原航平(2年)の右足シュートが左ポストを叩く。その直後の左CKをファーサイドのCB出口智大(2年)がDF頭上から豪快なヘディングシュート。ゴール方向へ飛んだボールを最後は交代出場FW直野椋大(2年)が頭で押し込んで同点とした。浦和南はさらに6分、右サイドでボールを奪い返した江原が斜めにえぐって折り返すと、直野が中央へ繋ぎ、高窪が右足シュートを突き刺す。

 逆転された本庄一はオープンスペースへ飛び出した小林がチャンスを迎えるシーンもあったが、試合は完全に浦和南ペース。それでも13分に交代出場MF高橋亜聡(1年)が迎えた1対1は本庄一GK大木恵太郎主将(2年)がビッグセーブで阻止する。浦和南は16分にもMF山口恵波(1年)の仕掛けから江原が左足を振りぬくがクロスバー直撃。そして21分には右ショートコーナーから交代出場MF村岡功敏(1年)が左足シュートを打ち込んだが、GK大木が触れたボールは左ポストを叩いてしまう。すると、この跳ね返りから本庄一の高速カウンターが発動。10番MF高坂達也(2年)のスルーパスで右中間へ飛び出した小林がGKとの1対1から同点ゴールを流しこんだ。

 追いつかれた浦和南は再び突き放そうとするが、流れは本庄一に傾いた。2-2の後半36分、本庄一は右サイドから仕掛けた小林のラストパスを中央でフリーとなった交代出場FW横山涼太(2年)が押し込んで勝ち越し。本庄一の大山真司監督は「2失点で止まって良かった。3失点目いっていたら逆転できなかったと思います。3失点目せずに可能性を残したから、自分たちは点取らなければいけないと分かったと思います」と振り返っていたが、相手に決定機をつくられても我慢強く守ったことが逆転劇に繋がった。そして迎えた40分、本庄一はゴール正面左寄りの位置でこぼれ球を拾ったMF塩野稜太(2年)が右足コントロールショットをゴール右上へ突き刺して4-2。諦めない浦和南もアディショナルタイムに高橋の左FKが相手のミスを誘ってそのままゴールへ吸い込まれる。だが、1点及ばず試合終了。本庄一が準決勝進出を決めた。

 本庄一は大山監督が「入学当初からボールコントロールを優先させたトレーニングをやってきたので少しは入学当初よりはボールタッチが良くなっていると思います」と説明する世代だが、この日はそれ以上にダイナミックなサッカーでゴールを目指してくる浦和南に対して局面局面の戦いで負けなかったことが大きい。大山監督も「同じ強さという舞台で戦って勝ち切れたのは大きかったですね」と目を細める戦いぶり。また、球際の攻防で微妙なファウルを取られても、意に介さず、ひたむきにプレーし続けていたことが印象的だった。

 昨春の不祥事によって、本庄一は長期の対外試合禁止処分を受けた。周囲からの厳しい声を受ける中で現1、2年生たちと残った3年生とでチームは再スタート。当初はトレーニングに集中できない部員もいたというが、現主将の大木が「早い段階で自分たちの代になってしまったので、これから自分たちが引っ張っていくことを2年生全員で話し合ってそこから取り組みが変わってきた」と説明するチームは意欲的にトレーニングを行ってきた。公式戦復帰戦となった選手権予選は1次予選敗退に終わることとなったが、それでも今大会では躍進。小林も「(取り組みの姿勢が)去年(の自分たち)に比べたら全然大違い。冬の波崎で結構いい結果出せて自信持てた」というチームは埼玉栄高、浦和南と強豪を連破してベスト4まで駒を進めた。

 大山監督は「ちゃんと生まれ変わって、もう一回こういうところへ出させてもらっているありがたさとか、応援をまだしてくださっている方々がいるということを感じて、良いチームを目指していければ」と期待する。当然、厳しい声を真摯に受け止めないといけない。だが、苦しい時期に支えてくれて、励ましの声をかけてくれる人たちがいる。この日も同級生たちが応援に駆けつけていた。大木は「学校の先生とかも、新人戦の北部予選から応援してくれる。(応援の声が)1試合勝つごとにどんどん増えてきているので、しっかりその人達のためにも勝ち進んでいきたい。最終的な目標は優勝なんですけどまずは次の試合に勝つことに集中していきたい。そして関東予選、インターハイ、選手権全部でタイトル取れるように。ベスト4に満足しないようにやっていきたい」と誓った。「この大会で少しでも汚名返上したい」(小林)という思いは全ての部員が意識していること。ひたむきに頑張り、戦い続けてひとつでも多くの白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)


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