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中国の“爆買い”傾向はさらに進むと予想する豪代表ケーヒル 一方でその弊害に警鐘も

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 上海申花でプレーするオーストラリア代表FWティム・ケーヒルは、中国スーパーリーグのクラブによる大物外国人選手獲得の傾向がさらに進むと予想する一方で、その弊害に対して警鐘も鳴らしている。

 今回の冬の移籍市場では、中国のクラブによる大物スター選手の“爆買い”が大きな話題となった。チェルシーから江蘇蘇寧に移籍したMFラミレス、アトレティコ・マドリーから広州恒大に移籍したFWジャクソン・マルティネス、シャフタールから江蘇蘇寧に移籍したMFアレックス・テイシェイラが次々と中国の移籍金記録を塗り替え、現時点でその金額は5000万ユーロ(約65億円)にまで達している。

 さらにパリSGのFWズラタン・イブラヒモビッチやFWエセキエル・ラベッシの中国行きも噂される状況に、移籍金は1億オーストラリアドル(約83億円)も突破するのではないかとケーヒルは予想している。『フォックス・スポーツ』に次のように語った。

「僕が初めて中国に来たときからビジョンは分かっていた。背景に何があるか、彼らが何をしたいのか分かっていた。今のような状況にまで来たのは本当にクレイジーなことだよ」

「彼らにはパワーがあって、何かが欲しければそれを手に入れることができる。クレイジーに見えることだけど、今後はさらにそうなるだろうね。すぐに1億オーストラリアドルを突破すると思うよ」

 だが、金銭面だけを理由として選手が移籍を選択しているとすれば不安もあるとケーヒルは指摘する。

「選手たちの選択は、僕の頃のようにサッカー中心ではなくなっている。純粋に個人的な利益が重視されていて、個人として何を得られるか次第なんだ。選手にとってプラスにはならないと思う」

「リバプールの誘いを断ったり、チェルシーを離れたりしている。選手にとってそれぞれ考えは違うものだけど、中国での生活に慣れることも必要だ。僕は大都市の上海に住んでいるけど、別の地域では少し厳しいこともある。彼らがどれだけ長続きするだろうね」

 各クラブの攻撃陣が大物外国人選手で独占されてしまう状況は、中国代表の強化にも悪影響を及ぼすことが懸念される。

「選手に投資が行われることへのジレンマもある。中国人選手の助けになるだろうか? ある程度はノーだ。中国代表が最も苦戦している部分は攻撃面で、ゴールを決めることができないんだ」

「それ以外の点では技術的に恵まれていて素晴らしい。でも、こういう(外国人)選手たちを獲ってくれば、すべて彼らに任せることになってしまう」
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