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[練習試合]静学のドリブラー・MF旗手が日本高校選抜のストライカー候補に

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[2.8 練習試合 日本高校選抜候補 0-2 駒澤大 時之栖]

 日本高校選抜の早稲田一男監督(日章学園高)が「彼はここに残りたい意欲をすごく感じる」と評していたのが、MF旗手怜央(静岡学園高3年)だ。一昨年度の高校選手権で8強入りに貢献した世代屈指のアタッカーだが、昨年の高校選手権予選は準決勝で清水桜が丘高に0-1で敗れて全国出場ならず。それでも関係者たちから高い評価を得たMFは選手権不出場組ながらも高校選抜候補に名を連ね、1次選考(1月10日)を経て今回の選考合宿に進出している。

 そしてこの日は静岡学園では1年生チームで経験した程度という1トップでプレー。左右のSH、トップ下など攻撃ポジションで力を発揮してきた旗手にとっても慣れないポジションであった。それでも指揮官が「ボールを失わないし、突破をしてくれる」というプレーで存在感。大学生のプレッシャーの中でも「大学生なんで身体が大きいとか速い、強いがあるので、相手にボールを当てないようにドリブルすることを意識していた」という旗手はDFからタイミングよく身体を離してボールを受けると、1タッチでのワンツーや、絶妙なコースどりのドリブルによって何度も局面を打開した。1対1ではほぼ止められることのなかった50分間。順天堂大に進学するMFは関東大学1部リーグのライバルである駒澤大の選手たちにも嫌なイメージを残したはずだ。

 プリンスリーグ東海でリーグ3位の13得点をマークしているように元々得点力は非常に高いものがある。FW小川航基(桐光学園高→磐田)やFW一美和成(大津高→G大阪)というプロ入りしたストライカーが不在の高校選抜の中で1トップのポジションを掴む可能性は十分にある。それでも、この日は相手に押し込まれる中で攻撃の起点として中盤へ降りてくるシーンが多く、ファーストDFを置き去りにして攻撃をスピードアップさせても最後の局面を攻略することができなかった。右SB宮原直央(國學院久我山高3年)のスルーパスからシュートを放つシーンもあったが、無得点。全体的な内容については「結構課題だったんですけど収められていた。自信になりますね」と口にした一方、FWで起用されているだけに「点取らないと評価されない」と表情に満足した様子は見られなかった。

 昨年は選考合宿に参加し、フィジカル能力の高さや突破力を発揮したものの、欧州遠征メンバーに加わることはできなかった。「去年は若干、『入れればいいかな』みたいな考えだったんですけど、成長してこういうところでもいろいろな人とやれているんで今年は行きたい」と力を込める。絶対的なストライカーがいないチームの中でより存在感を発揮して欧州遠征メンバー入りし、勝たせる存在になることができるか。早稲田監督は今後も旗手のFW起用を示唆。静岡県内の合宿で地元メディアからの注目度も高い旗手がストライカーとして躍動する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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