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[MOM1707]長崎総合科学大附FW安藤瑞季(1年)_「オマエならオレを越せる」偉大なる兄越え目指すFWが2戦連続2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.12 九州高校(U-17)大会第2ブロック第2節 長崎総合科学大附高 3-1 九州国際大付高 県立サッカー・ラグビー場C]

 2試合連続2ゴール。長崎総合科学大附高は注目のFW安藤瑞季(1年)が2連勝の立役者となった。1-0の後半20分、スルーパスで抜けだした安藤は右足でゴールを決めて2-0とすると、後半アディショナルタイムにも左クロスを右足ダイレクトで合わせて高い得点力を発揮した。怪我明けの影響で交代出場だった西原高との初戦でも2ゴールの活躍。カウンターからロングボールを交えて攻めるチームのフィニッシャー役を見事に果たした。

 安藤には3歳年上の兄に、現在駒澤大でプレーするFW安藤翼がいる。元U-17日本代表候補の兄は長崎総科大附で1年生から主力。3年時はチームの大エースとして、主将として輝きを放った。安藤は大分県から兄がプレーした長崎総科大附へ進学。比較されることは承知の上で「比べられることも多いんですけど、それを踏まえて越えられるようなプレーヤーになりたい」と意気込んでいる。

 ポジションは同じFWだが、プレースタイルは違う。「兄ちゃんは『柔』というか柔らかいプレーで自分は『剛』、身体の強さ、フィジカル的なゴリゴリいくプレー。気持ちでは負けないです。(コーチ陣から)オマエのいいところは何だと聞かれた時に、『ゴール前でゴリゴリいってフィニッシュまで行くことです』と答えるようにしている」。相手と競りながらでもグイッと前に出てシュートを打ち込む馬力の強さ、そして得点感覚の高さも魅力のストライカーだ。

 安藤にとって兄は憧れの存在。怪我がちだった安藤に対し、兄はいつも助言してくれていたという。出会った時や食事に行った際に渡される手紙で課題改善への取り組みを学び、勇気づけられてきた。「手紙を『これ読んでおけ』と。体幹の本とかもらいましたし、付箋貼って、これ何セットやってとか、オマエこういうところをやっておけとか。何かあったら連絡しろと」。その気遣いに感謝しながら、安藤は兄越えを果たすつもりでいる。

「兄は全国出ているけれど、勝ててはいない(上位まで勝ち上がっていない)」。悔しい思いをした兄の分まで活躍して兄越えを果たす。名将・小嶺忠敏監督も「今までけがばかりだったけれどシュートもあるし、身体も強い」と期待するストライカーが「オマエなら越えられる」という兄からのメッセージを自信に、今大会ではチームにタイトルをもたらす。

[写真]後半終了間際。長崎総合科学大附は安藤がこの日2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)

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