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[新人戦]“公立の雄”大津健在、東福岡と同居ブロックを1位通過:九州

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[2.13 九州高校(U-17)大会第4ブロック最終節 柳ヶ浦高 0-3 大津高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場B]

 平成27年度九州高校(U-17)サッカー大会(鹿児島)は13日に予選リーグ最終節を行い、第4ブロックの大津高(熊本2)対柳ヶ浦高(大分2)戦は大津が3-0で快勝した。大津は勝ち点7で並んだ東福岡高(福岡1)を得失点差で上回り、ブロック1位で準々決勝(14日)進出。準決勝進出を懸けて鵬翔高(宮崎2)と対戦する。

 前回王者・大津が全国2冠の東福岡と同居したブロックを1位で突破した。東福岡戦を終了間際のゴールで引き分けに持ち込み、この日は3-0で快勝して首位浮上。ともにガンバ大阪入りしたCB野田裕喜とFW一美和成を筆頭に攻守にタレント揃いだった昨年から大きくメンバーが入れ替わったが、まずは第一関門を突破した。

 昨年は九州新人戦に続いてプリンスリーグ九州、高円宮杯プレミアリーグ参入戦も制してプレミアリーグ昇格を果たした。選手権の全国大会こそ初戦で前橋育英高に競り負けたが、インパクトを残した1年。それを受け継ぐチームの特長について平岡和徳総監督はレフティーが多いことを挙げる。昨年からの主力であるGK前田直矢(2年)や注目エースMF杉山直宏主将(2年)ら主力の約半数がレフティーという特長的なチーム。自身もレフティーという平岡総監督は「3年生があまりにもインパクト強すぎたから。2年生に自信つけて顔を上げさせているところ。ここでどう化学反応するか」と独特の表現で期待感を口にした。

 雨中の戦いとなったこの日は引き分け以上で自力での決勝トーナメント進出決定。MF石坂竜哉(2年)を体調不良で欠いたが、ボールを保持して攻め込んだ大津は前線で柳ヶ浦の大型CBキム・ヒュンボム(2年)相手に強さを発揮するFW藤山雄生(2年)と10番MF田中匠(2年)を起点とした攻撃から、杉山とMF野田和聖(2年)の両ワイドがチャンスを作り出す。そして16分、左サイドの野田からの折り返しを藤山が左足ダイレクトで合わせて先制点を奪った。

 大津は後半8分にも交代出場のMF鶴崎大詩(2年)を起点に右サイドを崩すと、最後は藤山のラストパスを杉山が押し込んで2-0。柳ヶ浦もキムやカバーリングよく最終ラインを支えていたCB宮本大香(2年)を中心に踏ん張り、MF六角屋滉貴(2年)と10番FW日隈心靖(2年)を中心としたスペースを狙った攻撃で反撃する。カウンターから押し返すシーンも幾度かあったが、なかなかシュートシーンを増やすことができない。逆に大津はアディショナルタイム、交代出場組の崩しで3点目のゴール。左サイドを突いたFW原田礼一(2年)の折り返しをFW竹口虎次朗(1年)が左足ダイレクトで合わせて3-0で快勝した。

 今年も“公立の雄”は健在ぶりを示している。昨年からの主力である前田は先輩たちに負けない武器について「チームワーク」を挙げ、「(個人的にも)責任感は増したと思います。新チームになって絶対に負けたくないという気持ちになりました。飛び抜けた人がいない分、みんなで頑張りたい。(今大会も)優勝していきたいです」と力を込め、藤山も「去年は個人の能力が高かった。今年はチームワーク。一人ひとりが春に向けてスキルアップして、プレミアでも戦えるチームになって去年とは違う大津で勝ちにいきたい」と誓った。3年ぶりとなるプレミアリーグ参戦によって、昨年よりも厳しい環境の中で過ごす1年。現時点ではまだまだ先輩たちに比べると見劣りするものの、近年、数々のJリーガー、大学トップ選手を輩出している“育成の大津”らしく、1年間かけて成長して、先輩たちにも負けないチームになる。

[写真]後半8分、大津は2点目を決めた杉山(左)と田中がハイタッチ

(取材・文 吉田太郎)

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