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[MOM1710]大津FW藤山雄生(2年)_一美が2年間背負った「9」の後継者は“献身的なバロテッリ”に

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.13 九州高校(U-17)大会第4ブロック最終節 柳ヶ浦高 0-3 大津高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場B]

 過去2シーズン、U-18日本代表FW一美和成(現G大阪)が背負っていた大津高の背番号9。今大会、その9番を背負うFW藤山雄生(2年)が先制点を叩きだした。

 前半16分、ゴール前の攻防でDFから上手く離れた藤山は左MF野田和聖の折り返しを左足ダイレクトでゴールへ突き刺した。前日の大会初日は佐賀北高戦でゴールを決めたが、続く東福岡高戦は無得点。「昨日、ヒガシ(東福岡)戦で点取り切れなかったんで。きょうは自分が試合決めてやろうと思って臨んだ。(野田)和聖から良いボールが来て決められたと思います」と胸を張った。

 ゴール前での駆け引きは意識している。「相手にくっつくのではなくてちょっとずつ動きながらボールがないところで駆け引きしている。それで勝てていると思います」と藤山。またこの日は柳ヶ浦高の大型CBキム・ヒュンボム相手に良く戦い、「平岡(和徳総監督)先生から教わっているので空中戦、ヘディングは武器にしています」という武器も発揮して相手を上回るようなプレーを見せていた。

 昨年末の高円宮杯プレミアリーグ参入戦では怪我の一美に代わってCFを務め、ゴールも決めるなど印象的な活躍。今年は偉大な先輩から9番を譲り受けたが、強さと柔らかい動きによって前線で存在感を放った一美と同じプレーをすることはないと考えている。「(一美)和成さんになるのではなくて、自分のプレーで勝負したいです。裏に抜けだすところは献身的にやって、点取るのは仲間でいいので、献身的にやって自分が汚れ役になって。チームのために動くのが一番。チームのために動いてそれプラス自分が点取れればいい」と口にした。

 献身的なプレーを誓うが、我の強い部分も持ち合わせている。元々のプレースタイルは「結構(ゴール前に)ゴリゴリ入っていた」と言い、「ボク、(イタリア代表の)バロテッリが好きなんで、あれくらいやんちゃに(微笑)、ゴールのために貪欲に」という思いも秘めている。いい意味で我の強さも表現しながら献身的に戦うこと。「得点狙いながらチームのために走るだけです」。平岡総監督がマンツーマン指導も行い、育ててきた素材感あるストライカー。まだまだこれからの選手だが、“献身的なバロテッリ”が成長を遂げて今年も大津の背番号9を輝かせる。

(取材・文 吉田太郎)

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