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[MOM1713]大津MF田中匠(2年)_「公立の雄」の新10番が3発!1日で5ゴールの大量産

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.14 九州高校(U-17)大会準々決勝 大津高 4-0 鵬翔高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場C]

 1月のAFC U-23選手権でU-23日本代表の優勝に貢献したMF{豊川雄太}}や日本高校選抜候補のMF吉武莉央(3年)ら背負ってきた「公立の雄」大津高の背番号10。その後継者、MF田中匠(2年)が3得点の大活躍だ。

「この大会点数取れていなかったので、きょうはもうゴールを常に意識していました」という田中は1-0の前半32分、「(鵬翔高の)DFラインがボールウオッチャーになっていたのでそこを狙って」DFを外すと1タッチでMF山田康太(2年)の左クロスを合わせて1点目。さらに前半アディショナルタイムには相手GKが頭でクリアしたボールを予測して落下点に入る。そして1タッチでのミドルシュートを鮮やかに枠へ飛ばして2点目のゴールを奪った。「GKが出ていて絶対にヘディングするなと思って、だいたいこぼれてくるというところを狙って、流し込みました」

 そして後半26分には志願したPKを右足で決めて3点目。このPK直前のプレーで1対1をGKにセーブされており、そのシーンを猛省していたが、この日は午後に行われた神村学園高との準決勝でもPKと直接FKで2ゴールを決めており、1日で5ゴールと量産した。

「自分は動くというのが特長なので、裏の抜け出しの工夫とか、間で受けて仕掛けるところとかをもっともっとレベルアップしていきたい」という新10番はチームを勝たせる存在として躍動。「(10番は)去年(吉武)莉央さんだったんですけど、莉央さんは憧れでしたし、莉央さん以上にいいプレーヤーになれるように頑張る」と誓うMFが決勝進出の立役者となった。

 1年時には登録メンバーのひとりとして全国高校総体準優勝を経験。だが、昨年は両すねの疲労骨折で約3か月もの間、戦線離脱を強いられるなど満足の行くシーズンを送ることができなかった。「体力面で落ちちゃう部分もあったし、技術の部分も衰えた部分がありました」と振り返るが、意識して筋力強化を行ってきたことなどが現在効果を発揮してきている。また「遠慮があった」という昨年から意識を変えて思い切りよくプレーすることを心がけている。そして結果を出している田中に対して平岡和徳総監督は「もっとアグレッシブに。(彼は)右も左も蹴れる。もっと試合の中で顔を出して、仲間を活かしながらも自分が活きていく」ことを要求。名門の10番を任されたMFはその期待に応えて自身も活躍しながら、チームにひとつでも多くの白星をもたらす。

[写真]大津の新10番、田中は後半26分にPKを決めてハットトリック達成

(取材・文 吉田太郎)

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