beacon

「違い見せて来い」のエールに応える一撃!高校選抜FW旗手が個人技魅せて先制ゴール

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.20 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜 1-1 日本高校選抜 日産ス]

 静学らしく、魅せて決めた。日本高校選抜は前半32分、左中間でボールを持ったFW旗手怜央(静岡学園高)がドリブルで仕掛ける。持ち前のスピードでDF1人をかわすと、左横からプレッシャーをかけてきたDFを跳ね除けるようにして前進。GKと1対1になると、そのまま右足シュートをゴール右隅へ流し込んだ。

 地元・三重を離れ、3年間プレーした名門・静岡学園ではリズム、テクニック、インテリジェンスにこだわって磨かれてきた。今回のNEXT GENERATION MATCHに出場するにあたって静岡学園の川口修監督から言われていたことは「違い見せて来い」ということだった。その言葉通りにDFを2人かわしてから決めたゴール。旗手は「こういうゴールを決めれたのは違いを見せられたと思います。ペナの中では常にドリブルで仕掛けてゴールというのは意識していたし、それは自分の持ち味。それができたと思います」と喜んだ。

 トップ下やSHを本職とする旗手だが、この日本高校選抜では慣れない1トップでのプレー。だが選考合宿の駒澤大戦ではその突破力で大学生を翻弄し、この日もそのキープ力でボールを収め、前を向いた際はスルーパスで決定機も演出した。昨年は同じく日本高校選抜の一員として出場したが出場時間はわずか。だがエース格としてプレーしてゴールも決めた今回については納得していた。

 順天堂大へ進学する旗手はプロ入り、年代別日本代表入りしてもおかしくない実力者。選手権予選で敗れ、最大の目標としていた大会に出場することはできなかったが、それでも高校選抜入りし、全国大会で活躍した選手たちの名が並ぶ高校選抜の中でも一際目立つ存在になっている。まだまだボールを持ちすぎて周りとの呼吸が合わないシーンもあるが、そのスピードと強さ、テクニックが高校選抜の武器になることは間違いない。

 日本高校選抜は来週、静岡県ヤングサッカーフェスティバルを戦ったあと、メンバーを現在の21名から18名へ絞り、欧州遠征を行う。欧州クラブのスカウトたちも訪れるデュッセルドルフ国際ユースサッカー大会で旗手はどのようなプレーを見せるか。この日、視察したJスカウトも賞賛の声を挙げていた旗手。「個人的には海外とか、ヨーロッパでやったことがないのでどんな人がいるのか分からない。自分と海外の人の差がどのくらいあるのか感じつつ、自分がどのようなところが通用するのか試してみたい」と語ったアタッカーが世界相手にそのポテンシャルを示す。

(取材・文 吉田太郎)

TOP