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“下克上”果たして世界へ!「NIKE MOST WANTED」関西セレクションを8選手が突破!

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 世界で戦える若きフットボールプレイヤーを発掘するスカウトプロジェクト「NIKE MOST WANTED」の「関西セレクション」が28日午後、J-GREEN堺(大阪府堺市)で開催され、GK佐藤由維斗(久御山高)、DF堀江亮介(近大附高)、DF水口豪(中京大中京高)、MF八田陸斗(久御山高)、MF持井響太(滝川二高)、MF高田流星(大阪偕星学園高→大阪商業大)、MF久門功瑠(尚志高)、そしてFW西村光明(履正社高)の8選手が3月12日と13日に開催される「ジャパンファイナル」進出を決めた。

 約6か月間のエリートトレーニングや欧州プロのスカウトを受ける機会を得られる「NIKE ACADEMY」入りを懸けた「NIKE MOST WANTED」の“日本代表”2枠を争う国内セレクションは、すでに「ファーストチャンス」(15年12月)と「関東セレクション」(16年2月)が終了。合格者計15名とナイキスカウトによってスカウトされた「シード選手」が国内最終選考会の「ジャパンファイナル」進出を決めている。「ジャパンファイナル」の勝者2名が“日本代表”として16年4月にフランス・パリで開催される予定の「グローバルファイナル」に出場。世界各国のセレクションを突破した才能たちと実力を争い、認められた選手たちが「NIKE ACADEMY」への参加権利を獲得する。

 有名、無名関係のない実力勝負のセレクション。この日、欧州プロの夢を持つ高校生、大学生選手たち72名が「関西セレクション」に参加し、8対8や1本30分間の11対11などで次のステージへの切符を争った。全国高校総体の大会優秀選手であるFW築山隼(久御山高)や全国高校総体8強の履正社高FW西村、全国高校選手権16強である中京大中京高の司令塔・辻星哉、水口ら、プレミアリーグやプリンスリーグ勢、全国上位のチームからも多数の実力者が参加。選考を担当したスペイン人のイヴァンコーチが「関東も関西も(参加者たちが)全力でやってくれたけれども、前回(関東)以上に競争心のある選手が多かったのではないかと思いました」という熱き戦いでそれぞれがアピールした。

 イヴァンコーチが「きょうの中ではトッププレーヤーだった」と賞賛した久御山の10番MF八田が「(チームが楽しむスタイルであり)ボクが楽しむことによって回りも一緒に楽しめたりできたらいいと思っている。(きょうは)誰よりも楽しくやったっていう自信はあります」と抜群のテクニックで存在感を放てば、先輩MF木下稜介に続く滝川二からのジャパンファイナル突破を目指すMF持井が「(中高の先輩である木下から)特長のある選手が世界へ行けると言われていた。木下さんもドリブルかなりやっていたと聞いたので、自分も真似してやろうと思っていました。自分の良さのドリブルをいつもどおりやったらできると思っていた。緩急つけてドリブルできていました」と持ち味のドリブルスキルの高さと得点力を発揮する。また、11対11では辻のボールさばきと右足キック、MF阿部哲也(芦屋学園高)のダイナミックな動き、そしてMF平野大喜(東邦高)や高田のサイドを切り裂くスピード、MF岡本北斗(松陰高)のキープ力とボール奪取、GK佐藤のハイボールなどでの安定感などそれぞれが武器を発揮した。

 そいて八田と持井、抜群の跳躍力など高い身体能力を発揮していた左SB水口、そして築山と西村らが同チームとなったセットは、八田が右足ミドルを突き刺すなど相手を圧倒的に攻め立てたが、対戦チームも押し込まれる中で絶妙なインターセプトを繰り返していたCB堀江中心に守ると、MF久門のキープ力と気の利いたパスなどで攻め返し、FW平谷成矢(センアーノ神戸U-18)やFW節政亮人(芦屋学園高)が抜け出しからゴールを襲うなど諦めずに対抗した。

 世界への強い意志、同世代の実力者たち相手の力試し……それぞれが「NIKE MOST WANTED」への懸ける思いを表現。「ジャパンファイナル」進出選手を決める選考は「関東セレクション」の約4倍もの時間を費やすほど難航した。結果、自分のポジションの役割をよく理解しながら強い思いと個性を発揮した佐藤、堀江、水口、八田、持井、高田、久門、西村の8名が「関西セレクション」勝者となった。

「ジャパンファイナル」では全国大会優勝歴を持つ名門校や、プレミアリーグを戦ったチームなどのエース、昨年、全国決勝のピッチを経験した選手たち、高校トップクラスの守護神など約25名の「シード選手」が出場する予定。「関西セレクション」を突破した8人は「ジャパンファイナル」で一次選考免除の「シード選手」を上回って“下克上”を果たし、世界切符を勝ち取る意気込みだ。八田は「久御山の選手は足下上手いと言われるんですけれども、その中でも誰にもドリブルでは負けたくないというところがあります。(将来は)個人の努力次第でどうにかなるところもあるので、選手権出ようが出まいが関係なくこれからどんどん努力していく。(ジャパンファイナルは)楽しみですね。どんな選手とやれるんか楽しみ」と語り、高校2年生の持井は「ここから這い上がっていこうと。(ジャパンファイナルは)3年生が多くなってフィジカルとか体格も変わってきて、劣るところもあると思うんですけど、ドリブルとか緩急つけたり、俊敏性とかは自信持っているので、そこで勝負して絶対に受かりたいと思います」と気合十分。昨年、「関西セレクション」から“日本代表”になったMF渡辺柊斗(東海学園高→東海学園大)の再現を狙う。

 3月12日午前に開催される予定の「ラストチャンス」を勝ち抜いた選手たちを加えた約50~60名が、3月12日と13日に開催される「ジャパンファイナル」に挑戦する。昨年は「ジャパンファイナル」を突破したMF渡邊凌磨(前橋育英高)が「グローバルファイナル」でも群を抜くスキルを発揮して勝者となり、「NIKE ACADEMY」への参加権利を獲得(参加辞退し、インゴルシュタットU-23へ加入)。今年、“日本代表”として世界と対峙し、その実力と可能性で世界を驚かせるのは「誰だ」。

[写真]ジャパンファイナル進出を決めた選手たち(堀江はチーム事情によって写真撮影会を欠席)。左から持井、西村、高田、久門、佐藤、八田、水口

(取材・文 吉田太郎)

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