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窮地を救った19歳、FC東京DF小川の覚悟「今年は自分が出ないといけない」

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[3.1 ACLグループリーグ第2節 FC東京 3-1 ビン・ズオン 東京]

 デビュー戦となった19歳が窮地を救った。左SBのポジションで先発出場を果たしたFC東京DF小川諒也は左足から繰り出す正確なキックで2得点を演出し、チームを3-1の逆転勝利へと導いた。

 昨季、流経大柏高からFC東京に加入した小川だったが、公式戦の出場はなかった。しかし、昨季限りで退団してオランダのフィテッセに移籍したDF太田宏介の後ろ姿を見ながら、着実に成長を遂げていた。

 そして、迎えたプロデビュー戦。当然のように「プロとしてのスタートに立つということで、すごく緊張していた」。しかし、「周りの選手と比べると実力で劣っている分、ガムシャラにやるしかない」と自らを奮い立たせて試合へと臨む。そして、キックオフのホイッスルが鳴ると、「試合に入ったら慣れてきた」と語るように、左サイドで躍動。本職の守備で自サイドからの侵入を防ぐと、思い切りの良いオーバーラップを幾度となく繰り返して敵陣深くまで攻め込み、左足クロスで好機を演出した。

 そして、プレースキッカーを務めていたMF水沼宏太が前半だけでピッチを後にすると、後半はプレースキッカーの役割を任される。「自分がキッカーとなり、アシストできるチャンスをもらえたので、しっかりアシストできるようにと思った」とどん欲に結果を求めた。そして、1-1で迎えた後半23分に右CKから相手GKのオウンゴールを誘って同点ゴールを導くと、同39分には同じく右CKからFW前田遼一のダメ押しヘッドを演出した。

 デビュー戦で2得点に絡む活躍。「自分がデビュー戦に出るだけでなく、何か結果を残して次につなげたいと思っていたので、アシストという結果を残せてすごくうれしかった」と白い歯を見せた。

 DF駒野友一、DF室屋成が負傷離脱していることもあり、出場機会が巡ってきたのかもしれない。しかし、「去年は太田選手がいて、間近で見て学んできたものがすごく多かったので、今年は自分が出なければいけないと思っている」と力強く語る。

「駒野選手、室屋選手はすごくいい選手だと思います。でも今2人はケガをしていて、自分にチャンスが巡ってきている。自分も譲る気はないので、ここで結果を残し続けて、しっかりアピールをしていきたい」。プロとしての第一歩を踏み出すだけでなく、確かな結果を残して自信を得た19歳は定位置奪取に燃えている。

(取材・文 折戸岳彦)

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