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日本代表候補メンバー発表、ハリルホジッチ監督コメント要旨

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 日本サッカー協会は3日、7~9日に千葉県内で合宿を行う日本代表候補メンバー26人を発表し、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が都内で報道陣の取材に応じた。

以下、ハリルホジッチ監督のコメント要旨

バヒド・ハリルホジッチ監督
「前回、昨年12月20日に国内組の選手を呼んでミーティングをした。このミーティングでは今シーズンどうするかの方向性を示した。もっとやってくれ、日頃のトレーニングから野心を出してくれと伝えた。今回、ミニ合宿を行う。月曜の午後から水曜の昼までだ。すでにリーグ戦が開幕しているが、この合宿を通じてやりたいのは現在の選手のパフォーマンスを見ることだ。2週間後に2次予選の残り2試合が待っている。そのために選手がどんな状態でいるかを知りたい。いくつかテストをする。体脂肪を計ったり、心肺機能を計るテストもする。時間は短いが、そういったことを実施する。

 フィールド22人、GK4人を招集した。GKは西川、東口、六反、林の4人。五輪予選では櫛引が良いプレーをした。今回はメンバーに入れていないが、素晴らしいクオリティーを見せているので、頭に入っている。

 9人がDFで、塩谷と米倉が右サイドバック、藤春と車屋が左サイドバックになる。車屋は初めて呼んだが、開幕戦でいいゲームをしていたので彼も少し見たいと思った。センターバックが5人。森重、昌子、丸山、槙野、植田。植田は五輪予選でいいパフォーマンスを見せていた。興味深い選手で、若くてフィジカルのクオリティーも高い。我々のチームはまだまだパワーが足りないところもあるので、そういうところも考えている。

 MFは6人。遠藤航、柏木、柴崎、米本、武藤、鹿島の遠藤康だ。遠藤康はクラブとポジションが異なるが、真ん中(での起用)を考えている。テクニックのクオリティーが高く、少し中村俊輔に似ているかなと思う。フィジカルに成長の余地はあるが、興味深い選手だ。

 FWは浅野、小林、金崎、興梠、宇佐美、永井、齋藤の7人。齋藤は初めて一緒にトレーニングをするが、W杯にも行っている選手だ。

 若いメンバーがそろっている。かなりの伸びしろがあると思っている。月曜の午後に1回トレーニングを行い、火曜日は午前と午後の2回。水曜日は午前中に練習して、昼食を取ってクラブに帰る。ACLを戦っている選手もいるので、疲労も考慮している。金曜日に試合が待っている選手もいる。

 合宿で行うのは少しのテストと戦術的なトレーニングだ。多くの説明をしたい。前回の昼食会ではDFにこれをやってくれ、MFにこれをやってくれ、FWにこれをやってくれというのを求めた。それを見たい。Jリーグは第1節が終わったが、私が見た試合は昨季よりかなりレベルが上がって、プレーのスピードもかなり向上している。ほとんどの選手がもっとやりたいという気持ちを出していた。ただ、ACLではオーストラリアや韓国、中国との試合を見たが、その結果は喜ばしくない。合宿ではディフェンスの練習もあるし、攻撃面を中心にした練習もやる。この2日間でフットボールが大きく変化することはないが、多くのことを伝えたい」

―W杯アジア2次予選では海外組も加わるが、ここから何人ぐらいが残ってもらいたいか?
「国内組が海外組より良いパフォーマンスなら私は問題なく呼ぶ。興味深い選手がいなければ私はいろんなところに行って視察しない。ガンバの五輪代表の井手口はかなり興味深い選手として発見できた。FC東京の19歳の左サイドバックの小川もそう。FCソウルの日本人選手も忘れてはいけない。今年で30歳になるが、いいプレーをしていた。つまりすべての選手を見て、より良い選手を選ぶということ。名前で選ぶわけではない。特に若い選手のことを信頼している。五輪代表の選手で残念なのはJリーグでスタメンで出ていない選手がいることだ。あんなにも予選でいい結果を出したのにスタメンで出られない。(クラブの監督が)信頼してないのかなと思う。もちろん私が選ぶわけではないが」

―ACLで日本勢が苦戦している要因は?
「この4、5年、何をしていたかも考慮しないといけない。A代表の話をすると、5年前はFIFAランキングが22位とかだったはずだが、今は50何位に落ちた。数年かけてこういう状況に陥っている。クラブレベルでも見ないといけない。

 昨日のガンバ大阪はオーストラリアのチームと対戦したが、パワーやプレーのスピードで困難な状況に陥っていた。相手はフィジカル的に強いチーム。ダイレクトプレーが多く、空中戦もかなり使っていた。広島が対戦したFCソウルはかなり速いプレーを見せ、ワンタッチを多用していた。アグレッシブなプレーで、攻撃がかなり速かった。中国のチームも向上している。そういう状況に対して、(日本の)レベルが下がっているのではないか。

 私はいろんなところで危険性を発信している。国内合宿の目的もそれだ。このような合宿をするのは私が初めてかもしれないが、メッセージを出さないといけない。A代表に定着するにはもっとやらないといけないというメッセージだ」

―そういう中で高萩はFCソウルの中心選手としてプレーしていたが?
「高萩は守備でボールを奪うところ、組み立てのところでも存在感を発揮していた。運動量も多い。彼のことはずっと追跡しているが、A代表の理想像に当てはまっているか、今、A代表でプレーしている選手よりも良いかどうかを見ている。海外のフットボールを経験しているのも大きい。各国でプレーしている日本人選手を追跡している。18歳で海外でプレーしている選手の情報も霜田委員長からもらっている」

―内田は今季絶望とも言われているが、情報は確認しているか? 内田のこともあって今回は米倉を左ではなく、右サイドバックで呼んでいるのか?
「内田はドルトムントに呼んで一緒に食事をした。どのような状況かは耳に入っている。(日本代表コンディショニングコーチの)早川が常に彼のところに行ってトレーニングしている。今日は(日本代表トレーナーの)前田が行って治療とトレーニングをしている。難しいオペをした。復帰するまでにはかなり長い時間と我慢が必要だ。我々が予想しているよりも難しいと思う。いきなり明日復帰できるわけではない。

 米倉は1月にケガをしたが、まだまだパフォーマンスは戻ってきていないと聞いている。ただ、右サイドバックの競争を高めるのに十分な選手がいなかった。そのために右サイドバックで呼んだ。同時に左で車屋を見てみたいと思った。米倉に言いたいのは、もっといいプレーができるはずだということだ。ここ数年、サイドバックに入ってくる選手がいなかった。内田、(酒井)宏樹、(酒井)高徳、長友以外で、JリーグからA代表に定着する選手がいなかった」

―五輪代表の手倉森監督は五輪本大会でオーバーエイジを使う考えだが、A代表から推薦したい選手はいるか?
「一昨日、霜田、手倉森とディスカッションした。ある時期にA代表と五輪代表の合宿が重なる。選手だけでなく、スタッフも関わっているので、良いソリューションを見つけたい。(オーバーエイジの)3人は手倉森が決めてほしい。彼が決めるべきだし、彼が意見を言ってから、私の意見も言いたい。毎日そういうディスカッションをしている。私たちはW杯の2次予選、最終予選があるので、そこで必要な選手は言う。五輪代表が予選突破したことを喜んでいる。ようやく若手年代で成功した。他のカテゴリも続いてほしい。五輪の本大会でも良いプレーを見せてほしいと思っている」

―清武がケガから復帰したが?
「ちょっと復帰が早かったので驚いている。彼の復帰が早すぎたかどうかは分からないが、彼のクラブが難しい状況に陥っているというのもあるのだろう。ハノーファー対ドルトムントの試合を視察したとき、(酒井)宏樹、(山口)蛍とも話した。こっそりロッカールームにも入ったが、ハノーファーの選手の雰囲気は良くなかった。(清武に関しては)コンタクトを取って、どんな状態か聞きたい。ケガが再発しないでほしい。再発の可能性は高いのではないかと心配している。(清武が)チームで一番優秀な選手と聞いている。彼が努力しないといけない状況になっているのだと思う」

(取材・文 西山紘平)

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