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澤さんも心配するほどの強すぎる責任感…正確無比な宮間のプレーを狂わす

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[3.4 リオ五輪女子アジア最終予選 日本1-2中国 金鳥スタ]

 リオデジャネイロ五輪への道は数字上は可能性が残るが、中国戦の敗戦後にその可能性が難しくなったことを誰もが理解していた。悔し涙だろうか、悲し涙だろうか。試合終了の瞬間、日本女子代表(なでしこジャパン)でキャプテンマークを巻くMF宮間あやの頬を伝った。

 今大会にかける責任感が、正確無比な宮間のプレーに狂いを生じさせている。これまで何度もなでしこのピンチを救ってきた宮間のキックだが、今大会の3得点のいずれにも宮間は絡んでいない。ミドルシュートも枠を捕えるがGKの好守に遭うなど、流れも悪い。

 試合前日の報道陣対応で澤穂希さんも「自分一人で背負わないでほしい」と心配したほどの強すぎる責任感。澤さんが引退して初めて迎える大会という日本女子サッカー界にとっての重要度。理解すればするほど、結果が出ないことへのもどかしさが増している。「勝負は時の運でもありますし、ただそれを引き寄せる力がまだ自分たちにはないということ」。しっかりとした口調で答える宮間だが、その分悔しさがより伝わる。

 試合後、イレブンには「数字上は残っているということと、下を向いている時間はないということ、誰に何を言われようと、戦っていくことには変わりないので、最後まで戦おう」と話したという。のしかかる重圧。ただ、宮間なら壁を乗り越えてくれるとみんなが信じている。

(取材・文 児玉幸洋)
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