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[アンブロGACH1-TR]全国復帰狙う前橋商が大谷室蘭との“開幕戦”制す

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[3.5 アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ 前橋商高 1-0 北海道大谷室蘭高 東京ガス武蔵野苑多目的グラウンド]

 フットボールと「ガチ」で向き合うユース年代のプレーヤーたちが、自身とチームの成長を目指す第2回「アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ」が5日、開幕した。

「アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ」は昨年、「アンブロユースチャレンジ」から名称を変更。「ガチで楽しみつつ、サッカーをしてもらう。サッカーを通じて交流してもらう」というコンセプトの中、より上を目指すチーム、プレーヤーたちが東京、大阪、四国、九州の4か所で熱戦を繰り広げる。7チームが参加した東京大会の東京ガス武蔵野苑多目的グランド会場第1試合では、全国高校選手権出場11回の前橋商高(群馬)と同30回の北海道大谷室蘭高(北海道)が激突。前橋商が1-0で勝利した。

 前半は昨年無冠に終わった北海道の名門、大谷室蘭が主導権を握った。前日に北海道から関東へ移動。雪国の北海道では屋内練習が中心で屋外でのゲームは年末年始の遠征以来約2か月ぶりという大谷室蘭だが、最終ラインから丁寧にボールを動かして相手の背後を狙ったほか、2トップの落としを受けた左MF伊藤航(1年)が中へ入り込んでシュートチャンスをつくり出してくる。10分にはPAへ仕掛けたFW川原大雅(2年)の左足シュートがゴールを襲った。後半も立ち上がりにチャンスをつくったのは大谷室蘭。3分には交代出場のFW安藤颯太(1年)が右サイドを破り、9分には後半に左SBからボランチへポジションを上げた林佑樹主将(2年)の展開から右MF舘岡瑞基(1年)のラストパスを伊藤が右足で叩いた。だが、決定的な一撃は左ポストに弾かれてしまう。

 一方の前橋商は奪ったボールをスペースへ抜け出すFW星野周哉(2年)やフィジカルコンタクトの強さを見せるFW藤生春樹(1年)へ入れて反撃。なかなかいい形の攻撃をすることができなかったが、それでも前線から最終ラインへコンバートされたCB風間朝陽(2年)とCB木村海斗主将(2年)や対人で強さを発揮していた左SB若林泰輝(2年)が中心となって0-0のまま試合を進める。すると、後半10分過ぎからは、インターセプトから仕掛けた星野の左足シュートや緩急をつけたドリブルからMF高橋直希(1年)が打ち込んだ右足シュートなどゴールを脅かすシーンを増やし始める。そして迎えた後半22分、右SB大塚優斗(2年)が前方のオープンスペースへ配球すると、これに走りこんだMF金枝晃平(2年)が絶妙なボールを中央へ折り返す。そしてボランチの位置から走りこんだMF櫻井優希(1年)がダイレクトで放った右足シュートがゴール左上隅へ突き刺さった。

 後半、チャンスの数を大きく増やした前橋商は追加点を奪うことこそできなかったものの、1-0で勝利。今大会“開幕戦”を白星で終えた。コンサドーレ札幌やヴァンフォーレ甲府でのプレー経験を持つ笠原恵太監督は間もなく就任3年目に突入。14年度は選手権予選決勝進出、15年度は関東大会予選で優勝し、選手権予選ではライバル前橋育英と大熱戦を繰り広げた。着実に階段を登ってきている伝統校は今年、全国出場を目指す。新人戦はベスト16で敗退も、笠原監督は「今年は何とかインターハイか選手権のどっちか取りたいなと思っているですけど。ボクもネガティブじゃないので新人戦で負けたのもプラスに考えています」。前橋商のベースである球際やハードワークの部分について「まだまだ足りない」と指摘し、大声でチームメートを動かそうとしていた木村も「まだ動く選手が少ない。変わらないと勝てないし、自分も変わらないといけない」と厳しい。それでも木村が「日々の練習から戦う気持ちを忘れずに常に激しくやっていかないといけない。全国狙えるようなチームになるために引っ張って行きたい」と誓ったように、強豪と対戦する「アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ」で学んだ課題をシーズンでの躍進に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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