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[アンブロGACH1-TR]昨年、夏冬福島準Vの学法石川MF猪俣「先輩たちの思いを背負って全国に行きたい」

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[3.5 アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ 前橋商高 2-1 学法石川高 東京ガス武蔵野苑多目的グラウンド]

 今年こそ、歴史を変える。学法石川高は創部20年目、稲田正信監督就任9年目の15年度に全国高校総体福島県予選で2年連続の決勝進出を果たすと、選手権予選でも初の決勝進出。選手権予選決勝でPK戦の末に尚志高に敗れるなど初の全国大会出場を決めることはできなかったが、それでも目標とするステージまで着実に近づいてきている。

 昨年は半面ながらも人工芝グラウンドの練習場が完成。福島県外の選手もチームに興味を持ち、進学して来るようになった。その中で、現1、2年生たちは新人戦で初優勝し、プリンスリーグ東北にも初挑戦した1学年上の先輩たちが築いてきた歴史を、全国へ出場することで塗り替える意気込みでいる。MF猪俣勇気主将(2年)は「去年の3年生が良かっただけに自分たちも期待されているので、去年以上の意識で去年の3年生を越えられるようにやっていかないといけない。監督からも言われているんですけど、見ている人が感動してもらえるような試合を今年もやっていきたい」と力を込めた。

 フットボールと「ガチ」で向き合うユース年代のプレーヤーたちが、自身とチームの成長を目指す「アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ」には昨年に続く出場。稲田監督は強豪との4試合が予定されている今大会について「こういうところへ越させてもらって、まず見て、感じて、そこからどうするというところ」と口にする。この日は注目FW安倍光留(2年)ら主力数人が体調不良のために欠場。その中での戦いとなった前橋商高戦は守備がわずかに緩んだ隙を突かれて2失点し、競り負けたものの、アグレッシブな守備からサイドへ相手を追い込んでボールを奪い切るなど伝統校に対抗し、空中戦で強さを発揮したCB鈴木大輝(2年)中心とした最終ラインもよく踏ん張っていた。

 安倍と猪俣、そして1年生レフティー、佐藤凌を除くとメンバーは昨年から入れ替わっているが、指揮官が「まだまだ経験もないし、選手権でメンバー入っていない子も多い。でも頑張ってくれるなというのは去年に続いてあります。守備は裏切らないから、あとは行き方、関わり方とかを詰めていければ」と期待を口にする1、2年生たちは、今年も堅守を築きあげ、歴史を変えるチームになる。猪俣は「去年の3年生は自分たちよりも能力あって上手かった。今年は能力がないので、去年以上の守備力を高めないと、こういう良いチームとやらせてもらう時に簡単に決められてしまう。まず守備の意識を高めてやろう、運動量を上げて行こうと話してきた」と自分たちの武器である守備面をより向上させることを誓っていた。

 猪俣はフットボールへの「ガチ」な思いについて「(フットボールは)やった分だけ価値があって、これからに繋がるもの」とコメント。「高校3年間懸けても届くか届かないところ」という目標の舞台、全国大会出場のためにやるべきことをやり切る意気込みだ。今年は攻撃的なボランチとチームを引っ張る一方、昨年は右SBのレギュラーとして喜びと悔しさも味わっている主将は「毎回、尚志に決勝で負けているので、今年は何が何でも、今までの先輩たちの思いを背負って全国に行きたい」。先輩たちの思いも背負って戦い、チームの歴史を変える。 

(取材・文 吉田太郎)

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