beacon

リオ五輪逃した失意のなでしこ、6発快勝で今大会初勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.7 リオ五輪女子アジア最終予選 日本6-1ベトナム 金鳥スタ]

 日本女子代表(なでしこジャパン)は7日、リオデジャネイロ五輪女子アジア最終予選の第4戦でベトナム女子代表と対戦し、6-1で勝利した。この試合を前にリオ五輪出場の可能性がなくなっていたなでしこだが、大会初勝利を挙げている。

 この試合の前に行われた試合で中国が韓国を下して勝ち点を挙げたため、なでしこのリオデジャネイロ五輪出場の可能性が消滅した。なでしこの五輪連続出場は3大会で途絶えることになった。大会前にベトナム戦が消化試合となることを誰が予想できただろうか。

 なでしこは4日の中国戦からスタメン8人を変更。システムは4-4-2。GK山下杏也加、DFラインは右からMF中島依美、DF岩清水梓、DF田中明日菜、DF有吉佐織が並ぶ。ダブルボランチはMF川村優理とDF上尾野辺めぐみ。右MFにMF川澄奈穂美、左MFにFW大野忍。2トップはともに今大会初先発となるFW高瀬愛実とFW岩渕真奈が務めた。

 立ち上がりからなでしこが押し込む。しかし前半12分にエリア内で田中のスルーパスを受けた岩渕が右足でゴールを狙うが、左ポストを直撃。同21分には左CKを田中がヘディングで合わせる。だがGKにセーブされると、押し込んだ高瀬のシュートも枠左に外れていった。

 それでも均衡を破ったのはなでしこだった。前半39分、左サイドを抜けた中島のグラウンダーのクロスに岩渕が飛び込む。右足でゴールネットを揺らし、先制に成功した。しかし、なでしこはリードを守ることが出来ない。同42分、エリア内に攻め込まれると、岩清水が相手10番FWグエン・ティ・ホアを倒してしまう。このPKをFWフイン・ヌーに決められ、試合が振り出しに戻ってしまった。

 しかしこの日のなでしこはすぐに勝ち越すことに成功する。前半45分、有吉が右サイドから上げたクロスを岩渕が胸で落とすと、大野が左足ボレーで合わせる。浮かせないように腰を入れて振り抜いたシュートがゴール左隅に決まり、前半をリードして折り返すことに成功した。

 後半もなでしこペースで試合は流れる。後半10分には中島が強烈ミドルを放つが、これは豪快にクロスバーに跳ね返されてしまった。なでしこは同21分から高瀬に代えてFW大儀見優季、岩渕に代えてFW横山久美を投入。2トップをフレッシュにして試合を決めに行った。

 ただ追加点はなかなか決まらなかった。後半28分の左サイドを崩して上げた中島のクロスに大儀見がダイビングヘッドで飛び込むが、シュートは枠を捕えない。同33分にはスルーパスで抜け出そうとする横山がDFにユニフォームを引っ張られてしまう。レッドカードでもおかしくない場面に見えたが、リタ・ガニ主審はDFチュオン・ティ・キュウに対してイエローカードの提示にとどめた。ペナルティーアーク内で得たFKを上尾野辺が左足で狙うが、シュートは枠上に外れていった。

 しかしようやく後半35分、なでしこに追加点が生まれる。左サイドから大儀見が上げたクロスが、ゴール前でフリーになっていた川澄の頭にピタリ。勝利を決定づける3点目が決まった。そして同38分には中島の左足シュートが相手DFの足に当たると、ループ気味のシュートになってゴールネットを揺らす。同41分からは主将宮間あやを投入し、試合を終わらせに行ったなでしこ。後半アディショナルタイムには横山と大儀見が得点。6-1で快勝し、今大会初勝利を挙げた。 

(取材・文 児玉幸洋)

●リオ五輪女子アジア最終予選特設ページ

TOP