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3年生加わった全日本大学選抜、宮崎監督「1年生へいい刺激になれば」

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[3.9 練習試合 U-19日本代表候補1-2全日本大学選抜 味フィ西]

 デンソー海外キャンプ マレーシア遠征を行う全日本大学選抜は9日、U-19日本代表候補と30分間3本の練習試合を行い、計2-1で勝利した。あす10日には離日し、マレーシアでは親善試合3試合を戦う予定。

 今月6日まで行われていた第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会(デンチャレ)は、2017年のユニバーシアード競技大会を見据えていたため、1・2年生による18名の編成だった。しかし今回は4名増員した22名となり、3年生も招集されている。

 DF米原祐(関西学院大3年=作陽高)、FW松本孝平(国士舘大3年=藤沢清流高)、FW出岡大輝(関西学院大3年=G大阪ユース)らデンチャレで活躍した6名に加え、同大会をインフルエンザにより回避したGK前川黛也(関西大3年=広島皆実高)も選ばれた。

 慣例どおりならば、デンチャレの“優秀選手”という意味合いを持ったメンバー編成となるため、前川の選出は異例のこと。ユニバーシアード競技大会など、これまでの経験値の高さ、大学選抜での活動実績が評価されたという。

 また、同大会では関東選抜Aの一員として活躍をみせたDF小出悠太(明治大3年=市立船橋高)、DF高野遼(日本体育大3年=横浜FMユース)、MF塚川孝輝(流通経済大3年=広島観音高)も全日本大学選抜へ選出される予定だったが、故障などの影響で外れた。

 U-19日本代表候補戦での全日本大学選抜は4-1-4-1システムを採用。デンチャレではFW松本孝平(国士舘大3年=藤沢清流高)とFW山口一真(阪南大2年=山梨学院高)の2トップによる4-4-2システムが主だったが、この日の一本目は松本が1トップを務め、2列目にはMF野嶽惇也(福岡大3年=神村学園高)、山口、MF名古新太郎(順天堂大1年=静岡学園高)、MF松木駿之介(慶應義塾大1年=青森山田高)が入った。

 このシステムを敷いた理由について、全日本大学選抜の宮崎純一監督は「トップ下の選手が厚い時には、そういうことができるように準備をしています」と説明する。

 なお二本目の18分に選手が交代した後には4-4-2システムへ戻し、MF重廣卓也(阪南大2年=広島皆実高)と初招集のMF渡辺柊斗(東海学園大1年=東海学園高)がダブルボランチを組んだ。一本目は0-1だったものの、二本目のメンバー交代後には、DF小池裕太(流通経済大1年=新潟ユース)が直接FKを決め、三本目ではFWジャーメイン良(流通経済大2年=流通経済大柏高)がシュートを押し込み、計2-1で締めている。

 試合後に指揮官は「新しい戦力として入った松本くんや米原くん、出岡くんといったタレント性のある(3年生の)選手から1年生の子たちがどういうことを学ぶか。力強さや経験から来るものなど、一緒のチームでやることによって、このチームに力強さや試合の進め方の巧みさだとかが加わるように、そして彼らのいい刺激になれば。成果がそこに表れるような遠征ができれば」と話した。

 デンチャレを戦った1・2年生に、実力ある3年生たちが加わる形となっている今回のチーム。頼りがいある上級生が刺激となり、後輩たちをさらに上のレベルへ引き上げる。

 なお、デンチャレでは重廣がキャプテンを務め、この日の前半部分はDF今津佑太(流通経済大2年=流通経済大柏高)、後半部分は重廣がキャプテンマークを巻いたが、今回の遠征および日韓定期戦でキャプテンが誰になるかは現時点では不明。「1~3年生と学年を問わずに。3年生が遠慮しているのかもしれないし、最終的にどうなるかはマレーシアから帰ってきたところで決まるかと思います」と宮崎監督は説明した。

 今後、全日本大学選抜は10日に離日。マレーシアで親善試合3試合を戦い、18日に帰国。20日にはデンソーカップ・日韓定期戦を戦う。優勝を目指したデンチャレでは、初戦でまさかの黒星を喫したチームだが、その後の2試合では、戦える姿勢を存分に示した。今回がチーム立ち上げ後、初の海外遠征。3年生も加わった22名の精鋭が多くの経験を積んでくる。

(取材・文 片岡涼)

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