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「グッとくるものがあった」福岡DF亀川、3つの理由で完全移籍決断

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[3.12 J1第1ステージ第3節 浦和 2-0 福岡 埼玉]

 一つの決断を下した。昨季、湘南からアビスパ福岡に期限付き移籍で加入したDF亀川諒史はJ1昇格に貢献すると、今季から福岡に完全移籍を果たし、J1の舞台で戦っている。

 浦和戦では左アウトサイドで先発出場。「前半をいかに0-0のまましのげるかが大事」と試合に入ったが、前半18分に先制点を献上してしまう。そして、「早い時間で先制されて浦和にペースを握られた」ものの、亀川は機を心得たオーバーラップで好機を生み出す。前半44分には「アバウトなボールでもウェリントンは競り勝てると思っていた」と左サイドからのクロスをブラジル人ストライカーに合わせたが、ヘディングシュートはポストを叩いてしまった。

 さらに後半15分には亀川自らがボールを運んで、ゴールに迫る。しかし、左サイドから中央へとドリブルで進み、フィニッシュまで持ち込んだものの、シュートはジャストミートせずに好機をフイにしてしまった。この場面では右サイドでウェリントンがフリーで待ち構えていたが、「ウェリントンが見えなかった」と反省を口にしている。

「あの場面では相手に引っ張られて、ファウルをもらおうとも考えましたが、かわせるとも思い、迷っていたらボールしか見えない状況になってしまった。振り返ってみると、落ち着ける時間もあったし、ああいう場面は『惜しい』で終わってはいけない」

 昨季はシーズンを通してレギュラーを張り、チームのJ1昇格に貢献。今季、完全移籍を決めた大きな理由は3つあったと振り返る。1つ目は「初めて1年を通して試合に出て、J1昇格という大きな結果を残せたチームでJ1を戦いたい気持ちがあった」。2つ目はサポーターの存在が大きかったとしている。

「昨季のホーム最終戦とプレーオフでサポーターが『残ってくれ』という意味合いの横断幕を出してくれました。それほど必要とされているのを感じられたのは初めてだったし、それでグッとくるものがありました」

 そして、3つ目は井原正巳監督への思いだ。「あれだけ試合に出させてもらい、大きく成長させてくれた。その人のためにJ1で一緒に戦いたい、結果で恩返ししたい思いがありました」。チームは開幕3試合未勝利。まずは指揮官とサポーターに初白星をプレゼントし、ともに歓喜を味わいたい。

(取材・文 折戸岳彦)
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