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[MOM1723]G大阪ユースMF梅津克貴(1年)_状況に応じた的確な守りと散らしのパス、アンカーの位置で輝く

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.13 アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ G大阪ユースA 1-0阪南大高 J-GREEN堺]

 身体を張ったプレーで相手の攻撃を止めたかと思えば、正確な散らしで攻撃の起点にもなる。「もうすぐ新シーズンが始まるので、最後の質を高めたり、気持ちを合わすために勝ちに拘っていた」という気合をピッチで表現したのがガンバ大阪ユースのMF梅津克貴(1年)だった。

 この日は「最後まで身体を張るのが僕の仕事。僕が戦えば、みんなの気持ちも出てくると思っていた」と話したように、気持ちのこもった守りが目を惹いたが、ただガムシャラに身体を張って相手の攻撃を阻止するばかりではない。飛び込むのは、後ろにいるDFの状況を見ながら大丈夫と思った場面のみ。「もう一人のボランチとの距離を見ながら守るように宮本(恒靖)監督からよく言われている」という言葉通り、周囲と連係を取りながら、囲い込んでボールを奪う場面も見られるなど、状況に応じた的確な守りでチームを支えた。

 もともと一列前が主戦場の攻撃なボランチだっただけあり、守備だけで終わらないのも彼らしさ。この日は近場への散らしが主体となったが時折、サイドへの大きな展開で、相手を揺さぶる場面も。「最後の崩しの部分など攻撃陣の良さが3トップでは出てくる。今日は細かい所しか見られていなかったけど、もっと縦とか裏を狙っていけばもっと良いサッカーができるはず。アンカーは難しいけど、守備もできてゲームも作れるので面白い」と話したように、チームの出来を左右するポジションを得て、生き生きとしたプレーを見せ続けた。

 中学時代は奈良の街クラブ「アスペガスFC」に所属し、フットサルとサッカーを掛け持ち。足元には一定の自信があったが、G大阪の先輩には今年トップチームへと昇格したMF市丸瑞希や岩本和希(関西学院大へ進学)など実力者が揃っていた。ユースに入った当初は、「3対3や4対4のボール回しになるとなかなか奪えなくて、びっくりした。攻撃もワンタッチプレーが多くて、対応できなかった」。ただ、偉大な先輩たちを間近で1年間、目にしたことによって、「ちょっとは真似できるようなってきた」という。

 2年目の今年は、「最近は強さが出てきて、良くなっている。もっともっと質の高い所を目指してやってもらいたい」と宮本監督が一定の評価を与えるように、確かな変化が生まれている。2日間の大会を終えて、「アピールできたと思う」と口にしながらも、「良い守備もあったけど、CBに仕事をさせない位のポジショニングだったり、プレスをしないといけない」と反省を続けたように、チームの絶対的な選手になるため、成長速度を緩めるつもりはない。

(取材・文 森田将義)

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