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初選出ハーフナーの起用法を明かすハリル「引いた相手に有効」

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 194cmの長身FWがハリルジャパンに初招集された。アギーレジャパン時代の14年10月以来、約1年5か月ぶりの代表復帰となったFWハーフナー・マイク(ADOデンハーグ)についてバヒド・ハリルホジッチ監督は「我々のチームにここまで身長の高い選手はいない」とし、新たなオプションとして期待を寄せた。

 今季から加入したADOデンハーグですでに13ゴールを挙げているハーフナー。欧州の主要1部リーグでは最も得点を決めている日本人選手だ。「このようなFWを使った場合、彼に向けたプレーというものが必要になる。特に頭だ。ヘディングのところが興味深い」。指揮官はそう述べたうえで、ハーフナーを起用する場合には戦術を変更する必要性も口にした。

「彼を使うときはオーガナイズを変えて、彼が合わせられるようなオーガナイズにしないといけない。彼はスピードが速いとかパワーがあるとかいうわけではない」

 ハーフナーを起用するシチュエーションについては「国内の試合で我々が支配したゲームのときに興味深い選手なのかなと思う」と指摘。引いた相手に対して得点が欲しい状況を想定しているようで、ハーフナーの高さを生かす具体的な戦術についても語った。

「我々の短所として、センタリングの部分が足りない。この2試合ではそういったサイドからのボールを送ること、マイクの頭を狙っていくことが大事になる。組み立てが難しいときにはダイレクトプレーでマイクにロングボールを使い、背後に走った選手にフリックする。もしくは折り返しを決める。こういった選手を使うときにはこうした2つのタイプがある」

 日本が得意としてきたグラウンダーの速いパス回しや、ハリルホジッチ監督が志向する一発で裏を狙うような縦に速い攻撃には不向きのプレースタイルかもしれない。現にこれまでの日本代表ではハーフナーを起用しても、選手が試合の中で柔軟に対応できず、その高さを生かすようなプレーに切り替えることができなかった。

「日本人にこういうタイプの選手が少ないのが現状だ」とハリルホジッチ監督も認める。そのうえで「例えばアフガニスタン戦では、相手はおそらくかなり引いてくる。もしかしたら試合開始からすぐに、もしくは試合の途中から有効になる選手かもしれない。そのためにマイクを呼んだ」と期待する。

 24日のW杯アジア2次予選・アフガニスタン戦(埼玉)は、引いた相手を崩すのが困難な試合展開になる可能性は十分にある。そこで生きてくるのがハーフナーの高さ。指揮官は「我々がやったことのないプレーで彼を使うことを想定している」と、実戦の中で新たな攻撃の形をトライするつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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