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[サニックス杯]選手権準Vのさらに先へ、國學院久我山がプレミア勢の大宮ユースに逆転勝ち

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[3.17 サニックス杯国際ユース大会GL第1節 國學院久我山高 2-1 大宮ユース グローバルアリーナ]

 サニックス杯国際ユースサッカー大会2016が17日に開幕。全国高校選手権準優勝の(東京)はグループDの初戦で日本クラブユース選手権準優勝の大宮アルディージャユースと対戦し、2-1で逆転勝ちした。

 選手権では初の準決勝、そして決勝進出。個々が判断しながら高いスキルをピッチで表現し、その華麗かつ印象的なスタイルのサッカーで旋風を巻き起こした。その國學院久我山の新チームが強豪集うサニックス杯初戦でプレミアリーグ勢の大宮ユースを撃破。日本高校選抜候補のMF名倉巧主将(2年)が「去年、準優勝という結果を出したからこそ、(大会に)呼んでもらっている。糧というか力にしていけるように頑張っていきたい」と語る大会で好スタートを切った。

 MF山田陸主将(2年)やMF長谷川元希(2年)、FW小柏剛(2年)といった世代トップレベルの名手たちを交えてポゼッションする大宮ユースに前半はボールを支配されて、小柏に先制点を献上した。だが後半、システムを変えて2シャドーの一角だった名倉が相手のキーマンである山田につき、MF知久航介(2年)とMF戸田佳佑(2年)のダブルボランチへ変更すると、國學院久我山がボールを握り返して押し込む形となった。そして後半2分にダイレクトパスを交えた鮮やかな崩しから知久が抜けだして右足で同点ゴールを決めると、28分には清水恭孝監督が「目の色を変えてやっている」と評したFW安藤謙生(2年)が決勝ゴール。大宮に危険なゾーンまでボールを運ばれるシーンもあったが、見事に逆転勝利を収めた。

 國學院久我山はエースストライカーのFW澁谷雅也(2年)が故障欠場中。だが、「去年、全国準優勝を経験した選手が引っ張っていかないと、今年は目標を全国優勝にしているのでそれができない」と語った名倉や知久という昨年からの主力がリーダーとしてチームを牽引し、今年最高学年となる2年生たち(新3年生)の中でも安藤ら数人は「本当にもがいてくれている」(清水監督)というほど強い意志を持って日常を送っている。清水監督は東福岡や市立船橋といった伝統校に対して、同じ土台を持っているとは思っていない。「追いつくには僕らも覚悟が必要」。その中で、選手たちは選手権準優勝という過去最高成績にあぐらをかくことなく、新たに主軸となる選手たちが日々全力で過ごすことでチームをレベルアップさせようとしている。

 あくまで結果を残したのは卒業した3年生たち。それを理解し、1年生(新2年生)たち含めてより多くの選手の意識が高まってくれば、より成長を加速できるはずだ。名倉は「選手権で自分たちの自信にもなったので、研究とかしてくるチームもあると思うんですけれども自分たちのサッカーをやり続けて結果を残していけるのが本当の実力だと思う。個人個人がレベルアップしてチームをいい方向にもっていければいい」。選手権では文武両道がややクローズアップされ過ぎた感もあるが、全国2位という結果は國學院久我山が時間をかけて、妥協ことなく自分たちのサッカーを磨き続けてきたからに違いない。「覚悟をもって」成長を目指すチームがハイクオリティーなサッカーをより向上させて新シーズンに、新たな一歩を踏み出す。

[写真]國學院久我山の知久は同点ゴールを決めた

(取材・文 吉田太郎)

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