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[MOM1727]山陽MF三木寛裕(2年)_10番が2発に加えて、キープ、パスでも実力証明、より「何でもできる選手」へ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.20 中国高校新人大会準々決勝 山陽高 3-2 米子北高 広島工業大学G]

 中国地方を代表する強豪・米子北高相手にその実力の高さを示した。山陽高の10番MF三木寛裕(2年)は怪我明けで前日の1回戦は納得のいくパフォーマンスをすることができず。だが、この日は「昨日全然ダメだった。きょうは難しい試合になることは覚悟していてチャンスは絶対に決めようと思っていた」という思いをプレーで表現する。

 サンフレッチェ広島型の3-6-1システムを採用する山陽で2シャドーの一角を務める三木は1-0の前半14分、スルーパスにタイミングよく抜け出すと、GKとの1対1から右足でゴール。さらに24分にも左サイドからの斜めのスルーパスを引き出し、左足でゴールを破った。「1点目は中盤の味方と目があって練習が活かせたなと思います。2点目も同じ形で目が合って飛び出しの練習が活かして同じ形で取れた」。竹本浩監督が「瞬間的なスピードがあってシュート力も持っている」と評する10番がそのスピードと得点力を発揮してチームに白星をもたらした。

 フィニッシャーとして存在感を発揮した三木だが、厳しいプレッシャーの中でもボールを失わず、相手の網を切り裂いてドリブルで一気に前進するシーンもあった。また動きながらも冷静に周囲を見渡し、局面を変えるようなパス、クロスを繰り出してくる。そして空中戦で競り勝つシーンも。「守備はちょっとサボっていて。味方がよく走ってくれていたので何とかなりました」と笑ったが、毎年のように全国上位のチームをつくり出している米子北・城市徳之監督もその能力を評価していたように、三木にとって自信をつける試合になったことは間違いない。

「自分は相手の裏をどんどん取りながら、予想もつかないプレーができればいい。できればドリブルももっと上手くなって、相手も騙していけて、ドリブルの中で決定的なスルーパス出したり、難しいシュートでも枠に飛ばしたり、何でもできる選手になりたいです」。理想とする選手に「ポジショニングも凄いし、シュートも、ドリブルも、キープも、ボールを奪う能力も高くて凄いいい選手」とフランス代表の万能型MFポール・ポグバの名を挙げるのも「何でもできる選手」を目指すからこそ。将来、遠回りしてでもプロを目指したいというMFは今年、総体、選手権の全国舞台に立ち、多くの関係者たちの前で「活躍したいです」という通りのプレーをして目標へ前進する。

(取材・文 吉田太郎)

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