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クラブで苦しみ続くも…香川「自分の中で道筋は見えている」

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 苦しい時期を過ごしている。16年に入ってから所属クラブのドルトムントは公式戦15試合をこなしているものの、日本代表MF香川真司が先発出場したのは、半分以下となる7試合。しかし、本人は前向きに現状を受け止めていた。

 今季からトーマス・トゥヘル監督が指揮を執るチームにおいて、リーグ開幕後の香川は紛れもなくレギュラーだった。開幕スタメンを飾ってアシストを記録すると、第2節には早くもリーグ戦初ゴールを奪取。その後も先発の座を守り続け、中心選手の一人として勝ち点を積み重ねるチームをけん引し続けた。しかし、12月5日の第15節ボルフスブルク戦で初めてベンチスタートとなると、徐々に先発での出場機会を減らしていく。

 本人も「試合に出たり出なかったり」と話す状況だが、前だけを見据えている。「すごく良い経験ができているし、高いレベルの争いの中で自分自身を証明していけるように努力していくだけだし、自分の中で道筋は見えている。前半戦の感覚を含めて、大きな自信を持っているので、結果として証明していかなければいけない」。ブンデス優勝を狙う位置につけるドルトムントでの厳しいポジション争いを勝ち抜くことが、自身のさらなる進化につながると信じて努力を続ける。

 そして、日本代表でも同様に激しいポジション争いが待ち構えている。今回のメンバー発表時にバヒド・ハリルホジッチ監督は、香川の合流が試合2日前ということで「もしかしたらプレーをしない選択もある」としつつ、「残念ながら向こう(ドルトムント)ではなかなか(先発の座を)奪えていないし、A代表でも先発を奪えるかどうかはまだ分からない」と代表のポジションが約束されているわけではないと話していた。

 香川とトップ下を争うことになるMF清武弘嗣は所属するハノーファーのレギュラーであり、ハリルホジッチ監督が「真ん中でできると思っている」と語るMF原口元気もヘルタ・ベルリンでここ数試合結果を残す。ポジション争いについて香川は「そういう戦いはどこにでもあるし、常に日本代表にはあると思っている。代表は良い選手が出られる場所なので、打ち勝っていけるように頑張りたい」と力強く語った。

 試合2日前の合流となったものの、「移動の疲れはそこまでない。試合にも出たり出なかったりしていたので、そこまで疲労は感じていない」とコンディション的には問題ないことを強調し、「試合に出る準備をしっかりして、あとは監督が決めること」とピッチに立つために牙を研ぎ続ける。

(取材・文 折戸岳彦)

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