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辛い時期を乗り越えて…“恩返し弾”誓う小林悠「たくさんの人に支えられた」

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[3.24 W杯アジア2次予選 日本5-0アフガニスタン 埼玉]

 与えられた時間は決して多いとは言えなかった。しかし、FW小林悠は“前回”とは違い、確かな手応えを得ていた。

 5-0と大量リードを奪って迎えた後半34分、FW金崎夢生に代わって小林がピッチへと送り込まれる。自身にとってW杯予選初出場となったが、「どの試合も全力でやることは変わらない。特別違いがあるかと言われたら、そういうことはなかった」と平常心で試合に入った。FWハーフナー・マイクとの2トップの位置に入ったことで、「マイクの高さを生かすためにハイボールが増えるので、折り返しやセカンドボールは常に狙っていた」。限られた出場時間の中でシュートはゼロに終わったものの、ボールを受ければキレのある動きを披露してゴールに迫った。

 14年10月14日の国際親善試合ブラジル戦以来、約1年5か月ぶりの代表のピッチ。ブラジル戦では4-3-3の右ウイングに入ったが、この日は2トップで出場したこともあり、「両サイドのクロスに関われるし、よりゴールが近くなる」。そして、当時よりも「練習する時間も長くなっているし、自分の良さを分かってくれている選手が増えてきているので、そこはポジティブな要素」と、代表で活動する時間が長くなってきたからこそ、自身の持ち味を発揮する環境が整ってきていると手応えを感じているようだ。

 苦しい時を過ごしてきた。14年11月の代表招集時には合宿中に負傷して途中離脱。さらに15年3月には代表メンバーに選出されながらも、負傷のため辞退を余儀なくされた。代表定着のチャンスを逃してきたこともあり、当時、自身のブログで「正直かなり辛かったし、またかよって思った人も少なくないと思います。でも前を向いて行くしかないと思います」と心境を綴っていた。

「辛い時期はあった」が、小林は乗り越えて代表に戻ってきた。だからこそ、期するものがある。「僕は家族やたくさんの人に支えられて、こうやって代表に帰ってこれたと思っています。いろいろな方への感謝の気持ちがあるので、結果で恩返しできるように頑張りたい」。充実の時を過ごすアタッカーは“恩返し弾”となる代表初ゴールへの意気込みを示した。

(取材・文 折戸岳彦)

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