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ガバナーカップ兵庫2016が開幕、神戸U-18がホッフェンハイムU-18破る

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[3.24 ガバナーカップ兵庫2016 ホッフェンハイムU-18 0-2 神戸U-18 三木総合防災公園陸上]

 U-18年代のクラブチームなどによる国際交流大会「ガバナーカップ兵庫2016」は24日に大会初日を行い、ホッフェンハイムU-18(ドイツ)とヴィッセル神戸U-18が対戦。MF安井拓也とFW永澤竜亮の得点によって、神戸が2-0で勝利した。

 3年ぶりのプレミアリーグWEST制覇とチャンピオンシップを制しての日本一を狙う神戸が上々の試合運びを見せた。対戦の相手のホッフェンハイムは年代別のドイツ代表選手が複数人いたが、「昨年の大会を知っている選手が多かったので、緊張はなかった。リラックスして、自分たちのサッカーができたと思う」とMF野田樹が口にしたように、序盤から落ち着いてチャンスを演出。前半6分には「良く顔を上がって周りが見えている」と野田知監督が評価する新1年生のDF小林友希が自陣から右前方にロングフィードを入れると、ボールはFW向井章人の下へ。すぐさま後方から攻撃参加したDF前川智敬に預けると、ゴール前に上がったクロスをFW佐々木大樹が頭で合わせたが、GKの正面に終わった。16分には一転してピンチ到来。DF陣のパスミスからFWルカー・ボナノにシュートを打たれたが、このピンチはGK鶴田海人がパンチングでCKに逃れて、失点を免れた。

 均衡が崩れたのは前半18分。右アタックからの組み立て直しで左に転じ、DF白石健へ。すぐさま縦に繋いで、永澤がPAまで持ち込み、ゴール前にパスを通す。一度はDFに阻まれたが、こぼれ球を安井が押し込み、ゴールネットを揺らした。20分にも中盤での奪い合いから野田がボールを拾って、前線にパス。佐々木がPA外からゴールを狙ったが、GKの正面に終わった。以降も神戸の代名詞と言えるテンポの良いパス回しに、「なぜか分からないけど、外国のチームが相手だと調子が良い」という永澤のドリブルや、野田と小林の大きな展開を交えて、攻撃を展開した。ボールを失っても「ドイツの選手よりも日本人の方が、動きが素早い。一瞬のスピードで、失って5秒くらいで奪い返すイメージでいた」(MF野田)と素早い攻守の切り替えで後ろの負担を軽減。自陣まで持ち込まれてもDF堂鼻起暉が機転の利いた守りで決定機を与えない。前半の危ない場面は27分にクロスバーを直撃したボナノの直接FKのみという展開で試合を折り返した。

 後半も流れは神戸。7分には自陣で奪ったボールが安井の下に渡ると、ドリブルで前進し、ゴール前にスルーパス。受けた向井が粘ってシュートを打ったがDFに阻まれた。追加点が奪えなくても、前への圧力を高めたホッフェンハイムの攻撃をしっかり跳ね返し続けたが、守備の不安も露呈。「本当にしょうもないキックミスとかコントロールミスをなくしていかないといけない。ミスで失点してまったら、雰囲気も悪くなってしまう。細かい所を修正していきたい」と野田監督が振り返ったように20分には自陣でのミスから相手にFKを与えてしまう。MFザムエル・レングルに直接狙われたが、ここはクロスバーに助けられた。それでも、神戸は最後まで攻撃の姿勢を崩さず、35分には右サイド高い位置で二人を交わした向井がPA右から強烈なシュートを見舞い、GKが弾いた所を永澤が押し込んで2点目。ラストには「スピードがあって、ドリブルもうまい」(野田監督)ルーキーFW原尊の試運転も行って、90分を終えた。

「やってきたことが段々、できるようになってきた」(永澤)、「経験値的にはドイツのチームと2試合できるのは大きい。やってきたことがどこまで通用するか試す場所。そういう点では今日は上手く行けたと思う」(野田監督)。選手、監督がそう口を揃えたようにこの日は志向するサッカーを披露できた一戦だったと言える。一方で、「あれだけの決定機を決めておかないといけない。4、5点入ってもおかしくなかったのに結局2点しか獲れていない。最後の崩しまでは上手にやるのに、最後のパスやシュートが雑になってしまう」(野田監督)という課題も。26、27日に行われる残り2戦でより質を高めて、2週間後に迫ったプレミアリーグWEST開幕を迎えるつもりだ。

[写真]ミドルシュートを狙う神戸U-18MF野田樹

(取材・文 森田将義)

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