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[ガバナーカップ兵庫]「自分たちでも出来るんだぞというところを証明したい」兵庫県選抜U-18がライプツィヒU-18撃破

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[3.24 ガバナーカップ兵庫2016 兵庫県選抜U-18 2-0 ライプツィヒU-18 三木総合防災公園陸上]

 U-18年代のクラブチームなどによる国際交流大会「ガバナーカップ兵庫2016」は24日に大会初日を行い、兵庫県選抜U-18とライプツィヒU-18(ドイツ)が対戦。前後半に1点ずつ奪った兵庫県選抜U-18が勝利した。兵庫県選抜は26日にヴィッセル神戸U-18、27日にはホッフェンハイムU-18と対戦する。

 初めて海外勢と対峙する選手も多かった兵庫県選抜だったが、MF岡田優大(県立西宮高)が「試合前から県トレのムードメーカーのDF原拓海(神戸弘陵高)が皆を盛り上げてくれて、活気が出ていた」ことが奏功し、好スタートを切った。前半4分には右サイドに開いて受けたFW新角友規(市立尼崎高)からMF持井響太(滝川二高)へとパスを繋ぎ、最後はMF高原歩夢(報徳学園高)がゴールに迫ったが、GKに阻まれCKに。以降も、「例年よりも所属チームがバラバラだけど、皆がしゃべれるので一つにまとまっている」と持井が口にするように、選抜チームとは思えないほど息の合った連係で見せ場を作ると、9分にはサイド攻撃から右CKを獲得。MF藤崎啓之介(県立西宮高)が上げたクロスをファーの岡田が頭で合わせて先制に成功した。

「キッカーがいつも県立西宮でやっている仲間なので、ファーに蹴るのが分かっていた」と岡田が話す県立西宮コンビの活躍によって攻撃に弾みがつくと、今度は「監督から『色んな人が見にきているから、兵庫の代表として自分の良い所を出して来い』と言われていたので、観客を沸かせたいと思っていた」という持井が見せ場を作る。15分にはPA右で見せた高原のヒールパスからゴール前中央でシュート。22分にも岡田のポストプレーからミドルシュートを狙ったが、追加点を奪えない。

 対して、守備陣も「プレスをかける所をかけない所を決めていた。どこに来るかを読んでいて、誰がどう見るかも試合の最初から分かっていた。狙い通りでした」と小林大樹監督(御影高)が振り返ったように、中央を崩しに来たライプツィヒの迫力ある攻めに対し、DF澤田亘輝(三田学園高)とDF駒田昂希(センアーノ神戸ユース)のCBコンビを中心にグループでの守りとチャレンジ&カバーを徹底し、決定機を与えない。

 1点リードで迎えた後半も兵庫県選抜の時間は続く。2分には入ったばかりのMF山田新汰(三田学園高)が見せた左からの仕掛けは相手に阻まれたが、右サイドで拾って中へクロスを送り、持井が頭で合わせる。8分には自陣右から高原が左前方にロングフィードを展開。相手DFが競ったこぼれ球が左サイドの藤崎に渡ると、カットインからゴールを狙う。だが、これはGKの足に防がれた。

 残り時間わずかとなってからは「ドイツ人はそんなにスタミナがないと分かっていたので、最後は(足が)落ちてくると思っていた」(持井)との読み通り、運動量が落ちたライプツィヒを後目に、兵庫は動きの質で圧倒する。37分には中央左寄りで途中出場のMF平沼陸(市立西宮高)がインターセプトに成功すると、素早く前方にスルーパス。PA左でボールを受けた持井が「パスを貰った瞬間から誰にも出さずに、自分で行ってやろうと思っていた」とドリブルで中に切れ込んで、豪快な一撃を突き刺し、2-0でタイムアップを迎えた。

 2006年に国体少年男子の対象がU-18年代からU-16年代へと移行したため、U-18年代まで選抜の活動を継続するチームが減っていく中、兵庫県は10年経った今でも表立った活動を続けている。全国大会がない中、この大会は「上を目指している子らばかりなので、この大会は大学やJの関係者に見てもらう絶好の機会。大人になってからも県で一緒にやっていたという経験は活きてくる」(小林監督)という舞台。「兵庫県に光を与えようと皆でやっている」と小林監督が続けるように、選手たちは意欲に満ちている。

 主将を務める谷後滉人(神戸弘陵高)も「兵庫は優勝したことがないので、自分たちの代で狙っていきたいし、『兵庫はヴィッセル』って感じがあるけど、自分たちでも出来るんだぞというところを証明したい。僕たちの中にはヴィッセルに入りたくても入れない選手がたくさんいるので、入らなくても出来るんだぞというのを見せたい」。兵庫県の強さと自分たちをアピールするために、虎視眈々と優勝を狙っている。

[写真]2点目を決めたMF持井響太(滝川二高、右から2人目)をチームメイトが祝福

(取材・文 森田将義)

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